「米大統領選、しっかり見守りたい」 玉城知事 基地負担軽減協議に県参加を要望
- 2020/11/6
- 政治
玉城デニー知事は6日、県庁で定例会見を開催した。米大統領選挙の結果が沖縄に及ぼす影響について、玉城知事は「しっかりと見守りたい」とした上で、「どちらが当選しても、世界の大国のトップリーダーとして、国際社会における平和と安定の構築に取り組まれることを希望する」と述べた。また、「世界経済の早期回復にも貢献されるものと期待している」とも語った。
米大統領選挙は、同日時点で民主党のバイデン前副大統領の優勢が伝えられているが、共和党のトランプ大統領の陣営は開票作業に問題があるとして法廷闘争を始めるなど、決着が付かない状況が続いている。
玉城知事は、同選挙が沖縄の基地問題への及ぼす影響について「現時点では明らかではない」としながらも、「沖縄の基地負担軽減に向けて、日米両政府だけで物事を進めるのではなく、当事者の沖縄県を加えた上で、現実的な議論をさせていただきたい」との考えを示した。
このほか、同日の会見では記者団から尖閣諸島に関連する質問も出た。中国海警局の船が外国船に対して停船命令を行っても従わない場合、武器の使用を認める中国の法律案の内容が明らかになったことについて、玉城知事は「そういう報道があることは承知している。詳細について確認する必要がある」と語った。
その上で、「尖閣諸島周辺海域は戦前から沖縄の漁業者が利用している豊かな漁業域。県では、これまでも国に対して県漁船の安全操業の確保を要請したところ。県としては、引き続き情報収集に努めるとともに、国と連携して適切に対応していく」と強調した。
また、中国公船の1年間の接続水域侵入日数が11月2日で283日となり、2012年に同諸島が国有化されて以降で最も多くなったことについては、「このような中国公船の行為は、不測の事態を招く恐れをはらんでおり、断じてあってはならない」と強調。「9月に河野太郎沖縄担当相、10月には岸信夫防衛相に対して、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることを国際社会に明確に示すことや、冷静かつ平和な外交によって中国との関係改善を図ることなどを要請した」とも述べた。
このほか、新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行した場合の予測として、それぞれの疾患のピークが重なった場合には1日当たり新型コロナで2900人、インフルエンザで4100人、最大計7000人の発熱患者が医療機関を受診し、これが1週間ほど続くと試算していることを明らかにした。
玉城知事は「現在、県内には新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの診療を行う医療機関は、21カ所の病院のほか、401カ所の診療所が登録されている」とし、引き続き、新型コロナウイルスとインフルエンザ対策に万全の体制で医療提供体制の確保に努めていく姿勢を示した。
また、玉城知事は同日の会見で、首里城の地下にある第32軍司令部壕の保存公開に向け、関連資料の収集と調査・分析を目的に、2020年度内に「第32軍司令部壕文献等関連資料収集事業」を実施する方針も示した。
同事業では、沖縄戦を事実面から解明することを目的に、県公文書館で保有する数十万ページの沖縄戦資料の整理に加え、県内外の資料館などに貯蔵されている文献などを収集する。また、県民に対して個人の手記・日記などの提供を広く求めるとしている。
(記事・写真 宮古毎日新聞)