「イノベーションへの挑戦」を支援 西村経済産業相

 
台風で取りやめになっていた中小企業診断士の一次試験を12月に行うと説明する西村経産相=11月25日、那覇市

 西村康稔経済産業相は、このほど沖縄県で中小企業診断士協会や、1月に経済産業大臣賞を受賞したHPC沖縄の技術を用いる南西PC、エタノールを活用したSAF(持続可能な航空燃料)の製造を計画している南西石油を訪問した。

 視察後の会見で、西村氏は「気候変動への対応やデジタル化など、時代の困難を乗り越えていくにはイノベーションしかない。沖縄は開業率が高いが、その背景にあるのは『若さ』だと思う。イノベーションへの挑戦を応援していきたい」と強調した。

 中小企業診断士協会では、8月に襲来した台風6号の影響により那覇地区で取りやめになっていた、中小企業診断士の一次試験を12月に実施することを説明した。

 また、「コロナ禍から、ようやく観光需要も戻って来ている。経済が活性化していく中で、ゼロゼロ融資の返済のピークを迎え、中小企業の皆さんにとっては踏ん張りどころ。それを、診断士の皆さんが支えていただくことを目指して、勉強してこられた方々が報われるよう期待したい」と語った。

 HPC(ハイブリッド・プレストレスト・コンクリート)は、鉄筋を炭素繊維で代替することで、薄くても耐久性があり、高いデザイン性を発揮できる世界初のコンクリート製造技術。西村氏は会見で、「一度ぜひ、見てみたいということで訪問した。軽く、柔軟性もあって、錆にも強い。多様な用途が考えられる。沖縄の新しい技術を世界に発信してもらえれば」と力を込めた。

 南西石油については「2030年には10%がSAFになるとの目標を立てている。国内での使用量の約1割は供給できるのではないかと考えている。アジアに近い沖縄の立地の良さ、拠点としての空港もあり、将来はアジア、東南アジアへの輸出も視野に入れているということで、非常に期待している」と語った。

 その上で、「さまざまな支援策もあるので、今後よくお話をうかがいながら、取り組み・支援をしていきたい」と述べた。


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