沖縄⇔中南米沖縄社会の経済活性へ オキナワ移住地からも提言

 

 中南米の日系・県系社会と沖縄がビジネスでつながる未来を目指して、世界各地のウチナーンチュ(沖縄人)ネットワークの活用を通した連携を考える「OKINAWA TO 沖縄 ビジネスシンポジウム―中南米日系社会連携ビジネスの魅力―」が10月29日、浦添市のJICA沖縄で開催された。同日に行われた「おきなわ国際協力・交流フェスティバル」の一環。パネルディスカッションでは、株式会社伊島代表で、サンタクルス輸出投資振興協会アジア貿易クラブ代表の島袋正克氏は「ビジネスには“協力者”はいません。“参加者”しかいません。ぜひ(ビジネスに)参加してください」と呼び掛け、中南米と沖縄の積極的な経済連携を提唱した。

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ボリビアのオキナワから沖縄へ大豆輸出 歴史上初の経済交流 | HUB沖縄

経済基盤整備進むボリビアのオキナワ移住地

 ボリビア沖縄県人会の比嘉徹会長は、ボリビア東部にある沖縄県出身者の移住地「コロニア・オキナワ」と沖縄県の経済交流の活性化を目指して2021年に始動した「OKINAWA TO 沖縄プロジェクト」の現状について講演した。

 このプロジェクトでは、同年1月に、コロニア・オキナワで栽培加工された20トンの全脂大豆を石垣島に出荷しており、68年の移住地の歴史上初めて、両方の地の経済交流を実現させている。

 比嘉会長は、今回の経済連携を踏まえながら「将来的には、世界各地のウチナーンチュへとビジネスチャンスを拡大させていきたい」と述べた。また、コロニア・オキナワがボリビアで「小麦の首都」と呼ばれるほど一大生産地であることに関連し、同移住地産の小麦を沖縄に輸出することを展望しながら「全部の材料がウチナーンチュによって作られた沖縄そばができないでしょうか」と提案した。

 また、大規模な貫通道路の整備が進んでいることから、農業流通の要所や集積地としての可能性、観光地としての開発が期待されることも併せて報告された。

「ボリビアと沖縄のチームでウィンウィンの関係を」

 JICAボリビアとボリビア沖縄県人会が8、9月に同国で行ったビジネスアイデアプレゼンテーション「ウチナービジネスワークショップ」の参加者を代表して、コロニア・オキナワの第二移住地出身の玉城優美さんと、同第三移住地出身の玉城裕貴さんの2人の大学生が来沖し、それぞれビジネスプランを発表した。

 優美さんはボリビア小規模農家によるコーヒーとカカオの集出荷と販売・輸出を行うプロジェクトを提案。ボリビアの首都・ラパス周辺では良質なコーヒー豆が生産されることから、日本への輸出拡大に着目。ボリビアのウチナーンチュによるブランディングなどにも取り組みながら「日本市場を見極めて、日本に特化した焙煎を行いたい」とした上で「ボリビアと沖縄のチームでウィンウィンの関係を築いていくことが私たちの夢です」と述べた。

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