沖縄の企業DI、過去5番目の高水準 日銀那覇支店12月短観
- 2023/12/14
- 経済
日本銀行那覇支店(小島亮太支店長)は13日、2023年12月の県内企業短期経済観測調査(短観)を発表した。県内企業の景気判断を示す業況判断指数(DI)は、「全産業」で前回調査(9月)に比べ3㌽改善のプラス42となり、昨年9月調査以降、6期連続でプラスとなった。
コロナ禍以前との比較では16年9月と同じ値で、過去5番目に高い水準。小島支店長は「DIの水準自体が高まる中で、改善ペースは鈍化している」と述べた。
同支店の短観は、県内企業142社(製造業24社、非製造業118社)を対象として3カ月ごとに景況を聞き、景気が「良い」と回答した企業の割合から、「悪い」と回答した企業の割合を引いた指数となる。今回の調査は11月9日~12月12日までの期間に実施し、回答率は99.3%だった。
業況が改善した業種は、「物品賃貸」「小売」「運輸・郵便」など。中でも「小売」は、前回から8㌽改善のプラス83で非常に高い水準となった。自動車の供給制約の緩和など供給サイドの要因で改善したという。
悪化した業種では「宿泊・飲食サービス」が前回から5㌽悪化し、プラス50となった。修学旅行などの団体客の受け入れ場所では、総じて業況が改善した一方で、個人客を中心とする企業では11月の稼働率や12月の予約状況が今ひとつだったという。
小島支店長は県内の業況について「好調が続いている。ただ、(全産業の)改善幅は3㌽にとどまっている。9月の先行きプラス37よりは改善したものの、DIの水準自体が高まる中で、改善ペースは鈍化している」と述べた。
全産業の「先行き」は、プラス32との予想。高水準ではあるものの、今回の業況判断DIと比較するとマイナス10㌽で、やや大きめの悪化だ。同支店は、業況判断DIの水準が高くなってきている中、企業が先行きをやや慎重に見ている可能性もあるなどと分析した。
このほか、県内の人手不足感を示す「雇用人員判断DI」は、「全産業」で3㌽悪化のマイナス57の不足超となった。先行きは5㌽下落のマイナス62とさらに拡大する見込み。
小島支店長は「マイナス62という数値は、07年以降で最大の不足超幅。時給の引き上げなどで人員確保ができたという業種もあるが、全体として人手不足感は引き続き強まる傾向だ」と話した。