城間那覇市長「ワンイシューだけではない」 知念氏へ期待示す
- 2022/10/27
- 政治
沖縄県那覇市の城間幹子市長は26日、同市役所で定例会見を行い、那覇市長選(23日投開票)で当選した前副市長の知念覚氏について、「ワンイシュー、辺野古新基地建設だけではないんだと。県民に、そこにだけ向くのではなく、次の段階もあるということを、彼は描いて行動を取っていくのではないか。それで沖縄は動くと思う」と述べ、期待の大きさをうかがわせた。
従来は「オール沖縄」側として活動してきた城間市長は、市長選の告示日直前に、自民・公明が推薦する知念氏の支援を表明。指摘されていた知念氏の知名度不足を補い、同氏が当選する原動力の一つとなった。
城間市長は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について「県に権能が移っており、県知事の権限の中で国に対していく。ポストSACOで次の段階の意見をまとめ上げて県に提言し、国に向かっていくことが必要だと(知念氏は)考えているのではないか」と強調した。
質疑で、今後の政治活動について問われると「私が思い描いていた那覇市のあり方について5月の引退会見時に述べた。そして、バトンタッチする相手の姿も見えてきた」と語った。その上で、「私自身が、どういう政治スタンスで関わっていくかについては、今はノープランだ」と述べた。
さらに、自身が掲げる政治姿勢の「保守中道」が担う県内政界での役割について「その輪を広げていくことで、県とともに国に対して沖縄の課題を、ある程度大きな力で団結して物申すことができるのではないか。そういう役割を果たすのではないか」との認識を示した。
城間市長は、これまでの選挙戦を振り返り「『自公』対『オール沖縄』ということで、『保守中道』が抜け落ちていたところもあったと捉えている」と指摘した。
このほか、25日付の一部報道について、那覇市長選に関する記事中に事実誤認があったとして抗議のコメントを発表した。
コメントで、城間市長は「後継指名の時期 入念計画」とする見出しは甚だ心外で表現がふさわしくないとしたほか、5月の引退表明の際に知念氏と自民市議団から「後継指名はまだ早い。待ってほしい」と言われた事実はないと抗議した。
知念氏への支持表明が12日になったことについて「市議会の追及を避けるため表明は9月定例会後が最適とされた」との報道内容についても、両候補の政策発表後に判断する予定で、知念氏の相手候補となった翁長雄治氏の政策発表が12日だったと説明。今回の市長選で「私自身が自民党と公明党の関係者と調整したことは一切ない」と語り、理解を求めた。
また、後継指名については、「計画などではなく、徐々に、(起きた事象に)その都度都度、確信していった」「(選挙の)為書きも、翁長さんと知念さんの両方を用意していた」と述べ、気持ちが少しずつ固まっていったことを説明した。
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(記事・写真 宮古毎日新聞)