沖縄の住宅地上昇率、全国1位 人口の増加などが要因

 

 沖縄県は20日、公共事業用地の取得価格算定や相続税、固定資産税評価の目安となる2022年県地価調査(7月1日時点)を発表した。県内住宅地の上昇率は前年比2.7%で、7年連続の全国トップとなった。商業地は同1.9%上昇で全国6位。上げ幅は、いずれも昨年から拡大した。工業地の上昇率は同12.2%で、昨年(同12.1%上昇)に続き全国1位を維持した。

 県内の全体的な地価動向について、県地価調査分科会の濱元毅代表幹事は「コロナ後の見通しが立ちつつある状況の中で、土地購入の動きが出てきている」と指摘した。

 また、住宅地については「沖縄は人口の伸びはあるが、居住可能な土地が比較的狭い。少しでも景気が上向いて将来の見通しが良くなると土地価格が上がりやすい傾向にある」と指摘した。

 住宅地の最高価格は、6年連続で「那覇市天久2丁目11番9」。価格は、1平方メートル当たり33万円で、昨年に続き横ばいとなった。

商業地の最高価格は下落

 県内商業地の最高価格地点は、32年連続で「那覇市松山1丁目1番4」。価格は1平方メートル当たり122万円で、昨年から2.4%下落した。同地点は、20年には同15.5%の上昇率だったが、その後は2年連続で下落している。

32年連続で沖縄県内の商業地最高価格となった「那覇市松山1丁目1番4」=20日、那覇市

 商業地全体で価格が上昇した一方で、最高価格は下落したことについて、濱元代表幹事は「収益見通しが立ってきているが、思い切って(地価の高い場所に)投資するほど予測が良くなっていないことが理由」と語った。那覇市の商業地では、価格が昨年から変動がない地点が多いという。

 工業地については、「沖縄本島の西海岸が価格の上昇をけん引している。物流の中心が那覇近郊に偏っており、物流拠点や中小工場(を設置できる土地)が限られている(ことが上昇の理由)」と述べた。

商業地の上昇率トップは西原町

 市町村別で商業地の上昇率トップは、西原町だった。同町は、モノレールの「てだこ浦西駅」周辺での道路整備や土地区画整理、新たなインターチェンジの整備などの期待感が高いという。石垣市の商業地は、新たな市役所庁舎や県立病院が整備された地区の上昇率がけん引した。住宅地の上昇率1位は宮古島市で、市街地周辺部の伸び率が高かった。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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