- Home
- 暮らし・教育・子育て
- 米軍基地内リーグでバスケ審判に挑戦 「選手に還元」キングスU18の金城寿AC
米軍基地内リーグでバスケ審判に挑戦 「選手に還元」キングスU18の金城寿AC
- 2022/9/21
- 暮らし・教育・子育て
プロバスケットボールBリーグの琉球ゴールデンキングスのユースチーム「キングスU18」でアシスタントコーチ(AC)を務める金城寿さん(50)が、9月から沖縄県内にある米軍基地内の試合で審判に挑戦している。Bリーグの前身であるbjリーグで公式審判を務めていた経験を生かし、米国のバスケから学んだことをユースの選手らに還元していく考えだ。沖縄の学校や一般のチームが基地内のチームと練習試合を行う事例は多いが、基地内の公式戦で県民が笛を吹くのは珍しいケース。
公式戦は6年ぶり 元bjリーグレフリー
小学校教諭の傍ら、bjリーグでレフリーを務めていた金城さん。2016年にBリーグ創設以降は審判を離れ、ラジオ沖縄の番組でキングスの試合解説をしたり、ユースチームでコーチをしたりと各方面で沖縄バスケ界に貢献してきた。
今回金城さんが審判として所属する組織は、基地内のスポーツ協会の位置付けという「沖縄アスレチック・オフィシャル・アソシエーション」(OAOA)。バスケ部門に籍を置き、中学、高校、一般の各カテゴリの大会やリーグ戦で審判を務める。公式戦で笛を吹くのは実に6年ぶりだ。
7月下旬に知人から誘われたことがきっかけ。OAOAのリーダーであるジェラルド・シャーバーさんがbjリーグで共に審判をしていた仲で、その縁で話が舞い込んだという。
キングスU18でACを担いながら「自分のレフリーはbjリーグで止まっている。指導する立場として『もっとアップデートしないといけない』という気持ちがあって、ずっとモヤモヤしてたんです」と語る金城さん。連絡を受けた時は「感謝の気持ちが湧いてきて、すぐにやらせてくださいと返事しました」と振り返る。
感謝胸に 高いレベルで技術磨く
金城さんによると、米国はバスケ大国で知られるだけあって、基地内の選手たちのレベルも極めて高いという。「激しさもあり、高さもあります。実際にプロを目指している人もいて、とんでもない身体能力を持っている選手もいます」と語る。バスケの戦略やレフリーの技術も「最新のものが入ってきていると思います」と期待感を込める。
普段指導している育成カテゴリの選手たちの中には、将来的に大学進学やBリーグを目指す選手もいる。そのため、より上のカテゴリでも活躍できる選手を育てるために「子どもたちのレベルに合わせたレフリングではなく、フィジカル面などに関して僕自身がもっと上のレベルでのレフリングができないといけない」と、今回の挑戦の意義を説明する。
基地内の試合では当然、英語が必要となるが、bjリーグ時代から「テーブルコールも英語でやるように心掛けていた」と心配はないようだ。「基地とは思っていなくて、すぐ隣にアメリカがある。その環境から持ち帰って子ども達にも還元したい。ここを拠点に海外へ出ていく視野も持てる。パイオニアになれるように努力したいです」と意欲を見せる。
現役の小学校教諭として勤務しながら、今後もラジオの解説者やキングスU18のACも並行して続けていくという。周囲への感謝を胸に「自分だけ得をしても意味がないので、自分の経験や知識を周りに還元することが自分の役割であり、使命です。できる限り、見える形でいろんな活動をしていくことが、これまでお世話になった人たちに対するお礼になると思っています」と力強く語った。