沖縄県の玉城知事「流行の立ち上がり期」 第6波を警戒
- 2021/12/28
- 新型コロナ・医療
沖縄県の玉城デニー知事は27日、県庁で会見し、年末年始における感染防止対策の徹底と、無症状者を対象とした無料PCR検査の積極的な活用を呼び掛けた。玉城知事は、県内の感染者数が増加している状況について「流行の立ち上がり期にある」と強い警戒感を示した。
県は21日、沖縄本島北部の5町村を対象に「コロナ感染拡大注意報」を発出したが、その後も感染確認が続いている。玉城知事は「(沖縄本島北部の)名護市でも徐々に陽性者が確認されてきており、このまま増加すれば外出自粛要請をお願いせざるを得ない。北部地域にお住まいの皆様や訪れる機会のある方は警戒感を高めてほしい」と強調した。
また、県内離島で正月休みの間に行われる成人式に参加する場合については、「事前にPCR検査を受けて、万全の状況で式典には参加してほしい」と注意喚起したほか、帰省する際についても、「出発地でPCR検査を受けるよう家族からも呼び掛けてほしい」と感染対策への協力を訴えた。
さらに、観光客に対しては、「沖縄に観光に来られる方々も、出発する1週間前からご自身の体調をしっかり管理をしていただきたい。当然、出発する前の72時間以内にPCR検査を受けて、陰性を確認して安全安心な旅を楽しんで欲しい」と呼び掛けた。
県では、県内に居住し、感染した可能性がある無症状者を対象に、無料PCR検査を実施している。期間は12月25日~来年2月6日まで。同日の会見で玉城知事は、「感染を心配される方などについては、引き続き積極的な受検をお願いしたい」と強調した。
また、医療機関が休診となる年末年始について、例年多くの患者が救急病院を受診することを踏まえ、「コロナ対応で、病床が制限されている中では、病院にとって大きな負担となる」と指摘。その上で、発熱などの症状がある場合には、新型コロナウイルス相談窓口(電話098・866・2129)や、小児の場合は小児救急電話相談(♯8000)を利用するように協力を求めた。
年末・年始の感染対策呼びかけ 沖縄県医師会
沖縄県医師会の安里哲好会長も27日、県庁の記者クラブで会見を開き、年末年始に向けた県民へのメッセージを発表した。安里会長は、県民に対し「年末年始を迎えて活発な活動時期になるが、コロナ対策を忘れずに、心して感染予防・感染対策を強くお願いしたい」と呼び掛けた。
安里会長は「新たな変異株オミクロン株が世界的に急増しており、次なる感染拡大の波が懸念されている」と指摘。オミクロン株の感染状況には「12月26日までに国内での感染者が245人、沖縄県内では10人となっており、全国各地で感染者数が徐々に増加していることを危惧している」と話した。
また、「現状を踏まえると、オミクロンの感染者がいつ急増してもおかしくない状況にある。特に年末年始の外出や県外との往来が増え、忘年会・新年会で人と接触する多くなる」と説明した。
その上で、安里会長は県民のオミクロン株への感染予防対策として▽マスク着用・手洗い・手指消毒・三密回避▽忘年会・新年会は少人数で、大声や長時間は避ける▽あいさつ回りは玄関先で短時間・初詣は混雑の時間を避ける▽ワクチンの積極的な接種▽年末年始は休診する医療機関も多く、特段の注意―の5項目を挙げた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)