どれだけ知ってる? 沖縄の魔除けあれこれ

 
門の両脇に置かれている「シャコ貝」は面白半分でやっているわけではない

貝も木札も実は魔除けだった

 サングヮーの他にも、T字路に設置される「石敢当」、家の屋根や門の上に据えられる「シーサー」も沖縄の魔除けとして馴染み深いが、変わったところでは、門の上にシャコ貝を鎮座させている家もある。
 これは変わった趣のある家主がいるからというわけではなくて、シャコ貝にも魔除けの力があると信じられているからなのだ。現在でも特にうるま市、津堅島などで見かける。

 沖縄の古い家屋の庭などに割と高い確率でシャコ貝が飾られていたり無造作に転がっていたりするのは、魔除けの意味があったのだ。また、漢字の「水」の形をしている水字貝を玄関や門に吊るしている光景も見たことがあるかと思う。こちらも水という形に願掛けて、火災除けや魔除けを意図して飾られているのだ。

単なる飾りではなく魔除けの意味があるのだ

 さらに、県内の古い家屋や門などに貼り付けられている、漢字が羅列された奇妙な木札や紙のお札。これは「符札」と書いて「フーフダ」と読み、家の四方や門に貼るお札型のお守りだ。屋敷の神々に家内安全や健康祈願を行うと同時に、邪悪なものを遠ざける力を持つという。県内各地のお寺や神社で発行されており、誰でも買い求めることができる。

注意しながら歩いてみると、フーフダはあちこちに見つけることができる

 このように、沖縄には昔からこれだけ多くの魔除け文化、魔除けアイテムが伝え残されており、改めて信仰のユニークさを感じる。島の文化を継承していくためにも、まずは興味本位で構わないので、魔除け儀式を気軽に実践してみてはいかがだろうか。

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