どれだけ知ってる? 沖縄の魔除けあれこれ

 
サングヮー

霊力宿る葉で結界を張る

 沖縄の日常生活で弁当などを運ぶ際に、ススキの葉などで作った魔除けアイテム「サングヮー」をチョコっと上に乗せている光景を目にしたことがあるだろう。これは食べ物にマジムンの“悪い気”が付いて腐らないようにと願をかけて供える昔ながらのお守りだ。

 ススキはその葉の長さと鋭さから「剣」をイメージさせ、魔除けの力があるとされてきた。日本本土でもススキは昔から神の依代とされている。また繁殖力が強く土壌を再生させる能力を持ち、茅葺屋根の材料にもなっていたため、人々にとって大切な植物とされてきた。そのススキの葉1本を十字状に結んだものがサンであり、3本束ねて結んだものが「ゲーン」である。 

 さらにススキの葉3本に桑の葉を束ねて結んだものは「シバ」と呼ばれ、より強力な魔除けになるという。古来より日本や中国でも桑の木には霊力が宿るとされ、雷除けの呪文「桑原桑原」の由来は、桑の木には雷が落ちないと信じられたため、そう唱えるようになったという。
 マジムンを払うために魔除けのパワー漲る葉束シバやゲーンを家の四隅や門に刺し、悪霊が立ち入れないよう結界を張るお祓い儀式をシバサシと呼ぶ。

家屋の隅にススキの葉3本を束ねた「ゲーン」が刺されている

 近年見かけることは少なくなっているが、昔ながらの集落に行ってみるとまだまだ健在だ。ぜひ注意深く住宅の四隅をご覧になってもらいたい。

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