SDGsに積極的な企業は4割 沖縄県内企業意識調査
- 2021/8/30
- 経済
「貧困をなくそう」が全国トップの割合
SDGsで定められている17目標の中で、取り組んでいる企業が現在力を入れている項目では、比較的取り組みやすいとみられる「働きがいも経済成長も」が34.1%となっており、前年と同様に最も高い数値になっている。「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が20.7%で続き、「つくる責任つかう責任」と「パートナーシップで目標を達成しよう」がともに17.1%だ。
今後取り組みたい項目として挙げられていたのは17.1%で「貧困をなくそう」がトップとなった。貧困は現在力を入れている項目でも14.6%になっており、割合ではともに前年に引き続き全国1位。レポートでは沖縄の最低賃金が全国で41位と最下位であることに加えて、子どもの貧困率が全国比2倍という社会状況に対する県内企業の問題意識の高さが指摘されている。
今やSDGsという言葉は日常的に見かけたり使われるようになっており、調査にもある通りこの言葉を「知らない」と答える企業は10%にも満たない状況だ。積極的に取り組む企業が増えることで「持続可能」な社会が現実になるなれば理想的な展開と言えるだろう。
ただ、認知度はここ数年で飛躍的に向上したものの「流行りだからとりあえず掲げておこう」といった、本来の目的から乖離してしまっているケースも散見されるようになってきた。企業規模間での意識の差も如実にある。本当の意味でSDGsや持続可能性を実現するためには、これらの言葉が空疎な“お題目”にならないような取り組み方を、官民問わず社会全体でどう共有していくのかが問われている。