遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」5:都市環境と生活インフラ

 
バンコク市内の様子

 ベトナムでは経済的に豊かになったことにより、市民の移動手段がバイクから車へシフトし始めており、もともとバイクでさえもで渋滞になるようなホーチミン市では恐ろしい状況である。余談になるがフリーウェイでの事故も多い。
 タイやマレーシアの都市部から空港に向かうフリーウェイは、古い車でもお構いなく時速100km以上で車間距離もなく走らせる。道路もよく整備されてなく恐怖以外の何物でもない。個人的には飛行機に乗るよりはるかに危険を感じる。ゴルフの宮里藍さんはタイで、バトミントンの桃田さんはマレーシアでいずれも空港に向かうフリーウェイで事故に遭ったことがニュースで取り上げられたが、現地の交通事情を知っている分、驚きは少ない。

自然災害リスクも念頭に

 自然災害の経済的・社会的リスクも注意が必要である。
 日本は東京を含め様々な都市での地震、沖縄も台風が多く、沖縄では台風が特に海外からの観光誘致の際に常に心配される。東南アジアからのチャーター便をアレンジしている時に台風の発生などがあると、神にも祈るような思いであった。
 東南アジア各都市ではスコールにより洪水のリスクが非常に高い。これらの自然災害は住民への被害も当然だが、進出企業の生産活動停止など大きな影響を及ぼす。シンガポールは小さな都市国家ということもあるが、古くから植民地貿易の良港として栄えた理由にもなった通り、地理的位置や周りの島々の存在など、台風、地震、津波のリスクがもともと少ない都市である。洪水や浸水についても、シンガポールでは高度な上下水道、貯水池を構築していることでリスクを年々軽減できている。世界でも自然災害リスクが少ない都市と言えるであろう。

 沖縄県も、県民や訪れてくれる方々の生活の快適さ、利便性、自然災害のリスクなど総合的に考えてインフラの構築をしていく必要がある。 アジア国際都市と比較して現時点で何が劣っているのか、他の都道府県と比較して何が秀でているのかなどを理解し、ハード面とソフト面を区別して考え、その対策をしていく必要があるのではないであろうか。

■関連記事

遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」 2:=民族構成、国際化= | HUB沖縄
遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」3:=国際的知名度 、ブランディング= | HUB沖縄
遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」4:生活衛生と異国習慣理解 | HUB沖縄

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3


関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ