遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」5:都市環境と生活インフラ
- 2021/8/20
- 経済
ベトナムでは経済的に豊かになったことにより、市民の移動手段がバイクから車へシフトし始めており、もともとバイクでさえもで渋滞になるようなホーチミン市では恐ろしい状況である。余談になるがフリーウェイでの事故も多い。
タイやマレーシアの都市部から空港に向かうフリーウェイは、古い車でもお構いなく時速100km以上で車間距離もなく走らせる。道路もよく整備されてなく恐怖以外の何物でもない。個人的には飛行機に乗るよりはるかに危険を感じる。ゴルフの宮里藍さんはタイで、バトミントンの桃田さんはマレーシアでいずれも空港に向かうフリーウェイで事故に遭ったことがニュースで取り上げられたが、現地の交通事情を知っている分、驚きは少ない。
自然災害リスクも念頭に
自然災害の経済的・社会的リスクも注意が必要である。
日本は東京を含め様々な都市での地震、沖縄も台風が多く、沖縄では台風が特に海外からの観光誘致の際に常に心配される。東南アジアからのチャーター便をアレンジしている時に台風の発生などがあると、神にも祈るような思いであった。
東南アジア各都市ではスコールにより洪水のリスクが非常に高い。これらの自然災害は住民への被害も当然だが、進出企業の生産活動停止など大きな影響を及ぼす。シンガポールは小さな都市国家ということもあるが、古くから植民地貿易の良港として栄えた理由にもなった通り、地理的位置や周りの島々の存在など、台風、地震、津波のリスクがもともと少ない都市である。洪水や浸水についても、シンガポールでは高度な上下水道、貯水池を構築していることでリスクを年々軽減できている。世界でも自然災害リスクが少ない都市と言えるであろう。
沖縄県も、県民や訪れてくれる方々の生活の快適さ、利便性、自然災害のリスクなど総合的に考えてインフラの構築をしていく必要がある。 アジア国際都市と比較して現時点で何が劣っているのか、他の都道府県と比較して何が秀でているのかなどを理解し、ハード面とソフト面を区別して考え、その対策をしていく必要があるのではないであろうか。
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