女優・柴田千紘の沖縄めぐり 「アーティスト西形彩」編

 
本物の光とパワーにこだわった作品

山の中で欲していた海

 栃木のアトリエは完全に山の中らしく、自然の音や匂いは充分にあるそうですが、海はなかったので、今回の制作が決まる前から、とても海を欲していたそうです。次は海が必要だ、海こい、こい、と念じてたというか、とにかく海を思っていたら、引き寄せたのが今回の仕事だそう。
 古宇利島に滞在して本当に海のすぐそばに飾る作品を作ることになったのです。沖縄を訪れるのはすごく久しぶりだったそうです。

 古宇利島にいる間は猫好きに有名な猫が寄り付く宿で過ごしていて「実際に見る古宇利島の海は本当に美しかった」と話していました。彩ちゃんの今までの作品に使われていたエメラルドグリーンと沖縄の海の色とが、重なって浮かんできました。私もあの海の色と、昼間の嘘みたいにキラキラな光も、夜の月でテラテラ不思議な質感に見える光も、大好きです。

 今回の巨大なアクリル板に描いた作品には古宇利島で感じたもの、自然のパワーの他にも、自ら持ち込んだアメジストなどの本物のパワーストーン、24金なんかも入れ込んだそうで、光もパワーも本物であることにこだわった作品のようです。話を聞いていただけでそんなに詰め込んで大丈夫かと思うほど強いエネルギーがありそうなので早く実物を見に行きたいけど圧倒されてしまいそう。

 沖縄の方はもともと感じる力が強いように思うので、地元の方が見にいってどう感じるかもとても楽しみ。ぜひ感想を聞かせてほしいです!

コロナ禍の中での芸術

 アートも音楽や映画のように贅沢品というか、なくても差し迫って困らないものとして日本ではとくに二の次にされている印象もあります。この時期の活動は彩ちゃんにとってどんなものだったのでしょう。

 コロナ禍での仕事について聞いてみると「個人の感覚としては特に影響はなく、むしろ求められてる」と言います。アートは大きな括りで言う「癒し」として求められている。今この時期について、いろんな意見があると思うけど「人の個性が開花した期間」「気づけたとき」だと感じるそうです。

パリのルーブル美術館で作品が展示された時の様子

 そんな西形彩に今後やりたいことを聞くと、「とにかく巨大な作品が作りたい」と、どうやらまだまだ大きなエネルギーが溢れている様子。「作品を見た人の生の声が刺さって、例えば『息を飲むように』って表現だったりとか、言葉のひとつひとつが生きているように届く。人の心に入り込める作品を作っていきたい」と話してくれました。

 「やりたいというか、導かれる」という風に古宇利島を訪れることになったように、彩ちゃんは思いが引き寄せているのか結果に導かれているのか、どちらが先かわからないパワーに素直に乗って楽しんでいるようで、このポジティブな感じが心地よかったです。

■関連リンク
☆西形彩 WEBサイト:https://www.nishikata-saian.com/
☆ONE SUITE THE GRAND Hotel&Resort:https://onesuite.thegrand.jp

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