大宜味産の日本そばブランド化へ 10年“隠れていた”地域資源

 

 大宜味村で地元産の日本そば「大宜味産和そば」のブランド化が進められている。4月29日に第一弾として、道の駅おおぎみ(大宜味村津波)のレストランに「大宜味産和そば」がメニューとして加わった。5月上旬には、土産用の生麺の販売も始まる予定だ。

道の駅おおぎみ・やんばるの森ビジターセンター

香り高いそばに衝撃

 「そば」といえば「沖縄そば」を指す沖縄で、日本そばを活用したユニークな取り組みが始まった背景には、村外からの協力者の存在が大きかった。

 大宜味村でソバ栽培が本格的に始まったのは2010年のこと。元々は耕作放棄地の赤土の流出対策として、ソバを植えたことがきっかけだった。その後、そば粉を農作物として出荷するため、補助金を活用して製粉機などを導入。質の良いそば粉を生産できる環境を整備した。しかし、大宜味産そば粉の価格は他産地より高く、村外への出荷は進まなかった。

大宜味産のソバの実。脱穀前(左)と脱穀後。

 この「隠れた地域資源」に注目したのが、沖縄県経営者協会の人材育成研修「かりゆし塾」で地域活性化に取り組む研修生だった。去年10月から始まった「かりゆし塾」31期の研究生は複数のグループに分かれ、地域活性化のテーマを探るなか、ひとつのグループが大宜味村観光協会から大宜味産ソバの存在と現状の課題を聞かされる。

 「私を含め8人のメンバーのほとんどが、大宜味でソバを栽培していることを知りませんでした。知らなかったからこそ、大宜味の日本そばをブランド化することで地域の役に立てると感じたのです」

 こう振り返るのは、グループリーダーを務めた荒木正隆さん。大宜味産の日本そばを試食した荒木さんは、香り高いそばに衝撃を受ける。

荒木正隆さん・ぶながやどっとこむリーダー
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