沖縄唯一の人力車 歴史文化を辿り「最高級のおもてなし」

 

 那覇市の国際通りや壺屋やちむん通りを、颯爽とかつ優雅に通り抜ける人力車。引っ張り駆けるのは、県内唯一の人力車サービス「花鳥風月〜RyuKyu〜」代表の長谷川達郎(はせがわたつろう)さんだ。長谷川さんは、東京・浅草で先輩が開業していた「花鳥風月」の沖縄版として2019年12月に「花鳥風月〜RyuKyu〜」を開業した。引き継いだのは「最高級のおもてなし」だ。北海道出身の長谷川さんは「沖縄を盛り上げたい」を追求しながら、コロナに負けず人力車を走らせている。

普段と違う目線から眺める那覇の景色

 人力車は車輪が大きいため揺れが少なく、普段より数段高い目線の景色を安心して楽しむことができる。「ここは地元の人が今も使ってる井戸なんですよ」「こんなところに隠れるようにシーサーがいますよ」など、地元の人でも楽しめるような「通な情報」を教えてくれる長谷川さんの表情はお客さんを元気にさせてくれる。気になる場所があれば降車させてくれたり、記念撮影をしてくれたりと、旅の時間を有意義に過ごせるような心遣いも魅力の一つだ。

人力車を始めた経緯はなんですか。

 「妻の転勤で北海道から東京に移り住むことになりました。東京移住のタイミングでそれまでの仕事を退職したため、求人誌で職を探していました。そのとき目に止まったのが『仕事終わりの美味しいビール』というキャッチフレーズを掲げた浅草での人力車の求人。自分でも信じられませんが、仕事終わりの美味しいビールを想像して決めました(笑)」

―美味しいビールのために職を決めるって凄いですね(笑)

 「小学生の頃からサッカーをしていて、体力には自信がありました。好きである身体を動かすことが仕事になって、ビールも美味しい。この2つが理由でしたが潜在的に『人力車』に魅力を感じたのかもしれません」

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1. 前半38分、左サイドからのクロスに反応する沖縄SVの髙原直泰(奥中央)=3日、三重県のAGF鈴鹿陸…
  2. 鋭いドライブでディフェンスを抜きに行く宜保隼弥(右)=6月15日、沖縄アリーナサブアリーナ(長嶺真…
  3. FC琉球の監督に再就任し、意気込みを語る喜名哲裕監督=15日、那覇市の沖縄県体協スポーツ会館 …
  4. 前半35分、白井陽斗(中央)のスーパーゴールを祝福する野田隆之介主将(右)らFC琉球のメンバー=3…
  5. 初優勝を決め、喜びを爆発させる琉球ゴールデンキングスのメンバー=28日、神奈川県の横浜アリーナ©&…

特集記事

  1. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
  2. 試合終了後、サポーター席に駆け寄って引き続きの応援を求める喜名哲裕監督(右)=24日、沖縄市のタピ…
  3. インタビューで昨シーズンを振り返る安間志織=5月18日、那覇市内  欧州を舞台に活躍していた…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ