沖縄唯一の人力車 歴史文化を辿り「最高級のおもてなし」
- 2020/11/1
- 食・観光
那覇市の国際通りや壺屋やちむん通りを、颯爽とかつ優雅に通り抜ける人力車。引っ張り駆けるのは、県内唯一の人力車サービス「花鳥風月〜RyuKyu〜」代表の長谷川達郎(はせがわたつろう)さんだ。長谷川さんは、東京・浅草で先輩が開業していた「花鳥風月」の沖縄版として2019年12月に「花鳥風月〜RyuKyu〜」を開業した。引き継いだのは「最高級のおもてなし」だ。北海道出身の長谷川さんは「沖縄を盛り上げたい」を追求しながら、コロナに負けず人力車を走らせている。
普段と違う目線から眺める那覇の景色
人力車は車輪が大きいため揺れが少なく、普段より数段高い目線の景色を安心して楽しむことができる。「ここは地元の人が今も使ってる井戸なんですよ」「こんなところに隠れるようにシーサーがいますよ」など、地元の人でも楽しめるような「通な情報」を教えてくれる長谷川さんの表情はお客さんを元気にさせてくれる。気になる場所があれば降車させてくれたり、記念撮影をしてくれたりと、旅の時間を有意義に過ごせるような心遣いも魅力の一つだ。
―人力車を始めた経緯はなんですか。
「妻の転勤で北海道から東京に移り住むことになりました。東京移住のタイミングでそれまでの仕事を退職したため、求人誌で職を探していました。そのとき目に止まったのが『仕事終わりの美味しいビール』というキャッチフレーズを掲げた浅草での人力車の求人。自分でも信じられませんが、仕事終わりの美味しいビールを想像して決めました(笑)」
―美味しいビールのために職を決めるって凄いですね(笑)
「小学生の頃からサッカーをしていて、体力には自信がありました。好きである身体を動かすことが仕事になって、ビールも美味しい。この2つが理由でしたが潜在的に『人力車』に魅力を感じたのかもしれません」