沖縄唯一の人力車 歴史文化を辿り「最高級のおもてなし」

 

人力車は「走っているだけで宣伝になる」

―県民も楽しむことができるようなコース設計になっていると思います。

 「コースは現在、観光の中心地『国際通りエリア』、琉球王朝時代商業の基盤となった『若狭エリア』と大きく2つに分けていますが、お客様の希望に合わせて行き先を変更したり、時間を調整したり柔軟に対応しています。また、開業1年となる12月1日に向けてコース追加の準備をしており、より楽しんでもらえるよう努力しています」

―人力車に乗るという体験に加え、その土地を知ることもできるのですね。

 「はい。人力車を始めるにあたって、ネットで調べたり実際に街を歩いたりして、コース作りをしました。開業後も那覇市観光協会による『那覇まちま〜い』というツアーに参加して、那覇市の歴史や文化の知識を深めました。観光地だけでなく、見過ごしてしまいがちな目立たない歴史ある場所や穴場も紹介しているので、観光客だけでなく沖縄県民も楽しめます」

―少しずつ国際通りにも人が戻ってきました。

 「『Go To Travel キャンペーン』の効果もあってか、10月に入ってから国際通りへの来客者が増えてきました。コロナ禍は今も続いていますが、3密を避けられる観光として人力車を楽しんでもらいたいですね。そのためには、もっと認知度を上げていかなければいけません」

―認知度が上がってきている感覚はありますか。

 「人力車は走っているだけで宣伝にもなるので、お客様がいないままでも走らせたりしています。徐々に認知されてきている感覚はありますが、SNSなどをもっと活用してより多くの人に認知してもらい、人力車の魅力を伝えていきたいですね」

かじまやーに人力車体験も

―HPに「沖縄を盛り上げたい」を追求する、とありました。

 「学生時代に来た一度きりの沖縄で人の温かさに触れ、一目惚れしました。実際に移住してからもたくさんの地元の方にお世話になっていて、今の私を育ててくれたのは沖縄だと思っています。人力車を通して沖縄に少しでも恩返しをしたいと思っており、これからは観光だけでなく催事にも力を入れて沖縄を盛り上げていきたいです」

 「観光も含めて、人のイベントに関わり、喜んでもらうことに魅力を感じています。その中でも、催事という人生の大きな節目にも携わることができればと思っています。現在は、かじまやー(沖縄で行われる97歳のお祝い)に人力車体験をプレゼントしたいという予約が入っています。今後やりたかったことの一つなので私自身楽しみにしています」

素敵なプレゼントですね。今後は目標はなんですか

 「現在メインの観光と並行しながら、七五三などのイベント事や婚礼行事など様々な場面で人力車を利用していただけるようになりたいと思っています。人力車を沖縄の一つのトレンドにして、沖縄を盛り上げていきたいです」

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