沖縄・奄美が世界自然遺産登録へ やんばる、西表の特徴と今後の課題は

 
西表島仲間川のマングローブ林(環境省のHPより、以下同)

 亜熱帯の森に希少な固有種が多数生息する奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が世界自然遺産への登録を勧告した。今月16~30日にオンラインで開かれる世界遺産委員会で正式に登録が決定する見通しとなっている。日本国内の世界遺産は文化遺産を含めると現時点で23件あり、自然遺産については小笠原諸島に続いて5軒目だ。

 登録を巡っては、2017年に登録を推薦したものの、推薦地域が飛び地状になっている箇所が多く生態系の連続性を担保できないことや、沖縄島北部の米軍北部訓練場返還地が含まれていなかったことなどから、18年に登録延期を勧告されていた経緯がある。
 今回の自然遺産登録について、推薦地域の特性や今後の課題を環境省沖縄奄美自然環境事務所国立公園課長の浪花伸和さんに聞いた。

「ここにしかいない生物」の多様さ

「なんと言っても生物多種性が凄くて、自然の質が高いんです。絶滅危惧種を含むたくさんの希少種が、わずか4島の小さいエリアに多数生息しているということが評価されました。沖縄で代表的な生物であれば、ほんの一部ですが、やんばるだとヤンバルクイナやオキナワイシカワガエル、オキナワセッコクといった植物もありますし、西表島だとご存知イリオモテヤマネコなどです」

 推薦地域となっているのはほとんどが森林で、4島の陸域計43,000ha。かつて大陸とつながっていたとされるこれらの地域は、海面上昇によって島となり、浪花さんが挙げたような固有種がそれぞれに独自の進化を遂げた生態系が形成されていった。

ヤンバルクイナ
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