沖縄振興計画素案発表「日本経済への貢献」前面に
- 2021/6/2
- 政治
来年度にあたる2022年度から10年間の振興のあり方を決める次期沖縄振興計画の素案を、県が1日に発表した。
素案は、沖縄が経済成長著しいアジアに近い優位性を活かしつつ、日本経済全体への貢献を前面に出したものとなっている。さらに、首里城復興や海洋資源開発の在り方にも触れ、ハード・ソフト両面からの発展と自立型経済の実現を目指す。
今後、県振興審議会への諮問・答申などを経て、来年3月に次期振興計画の策定に至る。
■関連リンク 新たな振興計画(素案)の公表について|沖縄県
「日本をリードする」視点から
沖縄振興計画とは、「歴史的、地理的、自然的、社会的な特殊事情に由来する条件の不利性」を鑑み、2002年に制定された沖縄振興特別措置法に基づいて10年に一度、策定されている。同様の地域振興法は、北海道、小笠原諸島、奄美群島などにも講じられている。
計画実施に向けては、一括交付金などの財政・税制面、沖縄振興開発金融公庫による金融面などで国が支援することになっている。
現在の振興計画は、来年3月で期限切れを迎え、現在、県が次期計画の策定を進めている。なお、今年5月に玉城デニー県知事が自民党沖縄振興調査会や河野太郎沖縄担当相に期間の延長を要請したが、同調査会の小渕優子会長から「国民にきちんと説明ができるように、深堀りし、ビジョンを示してほしい」と釘を刺された経緯もある。
6月1日に発表された振興計画の素案に、「沖縄がどう日本経済に貢献できるか」が前面に謳われているのは、こうした自民党内の雰囲気を反映して、沖縄県民のみならず日本国民全体を納得させる必要に迫られたためとみられる。