本命視の石垣スーパーシティ構想 3000億円の巨額プロジェクトの行方は

 

 石垣空港の土産店の店員も、「まったく寝耳に水だ。最近、地元紙で報じられるまでスーパーシティのことはまるで知らなかった」という。実際、市役所は最近まであえて秘密裏に検討を進め、住民への説明は一切行ってこなかった。

石垣空港

 スーパーシティ特区では、自治体は実施主体、すなわち参加企業に「区域データ」を提供することになっている。防犯カメラの映像から、同意を得た個人の健康情報なども企業が吸い上げていく。石垣市の提案は「グリーンフィールド型」(新規開発型)で、個人情報の扱いは基本的には新しくやってくる住民の問題ではあるが、そもそも事業を石垣で進めるのか否かの判断は、いまの住民の意思次第だ。

 「宮古バブル」と言われた宮古島の観光開発バブルでは、島の地価や家賃が高騰して島民が住みづらくなったり、地元住民に馴染みの飲食店が変質したりするなど、様々な弊害も出た。島の姿を一変させることになるスーパーシティを石垣市民は受け入れることになるのか。その第一歩となる国の選定が注目される。

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森 創一郎

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1972年生まれ。東京出身。出版社、雑誌社、地方放送局勤務を経て2020年7月に独立。主に経済、交通分野で執筆活動を続けている。私生活では山を愛し、時間をみつけては登山に勤しむ。

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