新設備年内稼働で遺族の負担軽減へ 富士葬祭 平田保信代表

 

県内初のホール葬を実現 妻と2人3脚で叶えた夢

 当時、沖縄の葬儀は自宅葬と寺院葬が主流だった。県外ではすでに葬祭場(ホール)で行う葬儀が一般化しており「沖縄でも需要が伸びるに違いない」と踏んで県内初のホール葬構想を描いた。

 ところが、従業員は「こんな小さな会社が建設費用を借りられるわけがない」と猛反発。必死の説得も虚しく全従業員5人が退職してしまった。「俺に信頼がないからだ」と深く落胆し経営者としての自信も失いかけたが、妻が唯一の支えになってくれたという。

 「駐車場を完備した冷房設備が整ったホール葬は、必ずお客様の利便性向上に繋がる」と銀行へ融資を頼んだところ、当時の支店長が賛同し本店に掛け合ってくれた。従業員の退職という代償は大きかったが、「屈することなく思うところに道は拓けるを体感した」と今でもその時の喜びが忘れられない。

 平田代表の読み通り徐々にお客様へ認知され、時代を先読みした戦略が経営の流れを変えた。現在では6ホールを運営している。

小禄ホール外観

変わらない人間の尊厳 最期のお別れは故人らしいものへ

 誰しもに訪れる最期のお別れはその人らしさを尊重するものにしたいー。形式的な葬儀ではなく、家族が故人との思い出を振り返り、悔いのないお別れが出来るようお客様のニーズに合わせてさまざまなコンセプトのホールを展開している。

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