ムーチーでコロナをやっつける!? 知られざる桃太郎との繋がり
- 2021/3/14
- 食・観光
桃太郎と鬼餅に繋がり?
もともと沖縄のムーチーは、「高きび」というキビの一種で作られていた。現在でもトーナチンとして親しまれ、ムーチーの材料として使っている地域もある。ではキビと言ってすぐに思い浮かぶのは何だろう?
おそらく昔話桃太郎の「キビ団子」ではないだろうか。桃太郎が鬼退治に向かう際、サル、キジ、イヌを家来にするため分け与えたのがキビ団子。まずここでキビが繋がる。
そもそも桃には、魔除けや厄除けのパワーがあると遥か昔から伝えられている。その桃から生まれたのが桃太郎であり、悪さをする鬼を退治しに鬼ヶ島へ征伐に行くという話だ。雛祭りを「桃の節句」と言うのも、女の子に災難が降りかからないようにという厄除けの意味が込められている。では、沖縄と桃にも何か関係性はあるだろうか。 ここでムーチーを包む葉を思い出してほしい。
そう、「月桃」である。
ここにも実は「桃」が隠れていた。さらに、鬼という怪物は何が元になっているかご存知だろうか。角が生え、虎のパンツを履いた巨大な魔物。実はその正体、昔から日本の鬼門とされている方角、東北の干支、「丑の角」を持つ「寅のパンツ」を履いた怪物なのだ。桃太郎は鬼門に対して「裏鬼門」と呼ばれる東北と真逆南西の干支、申、酉、戌を家来として鬼退治に行くことになる。
鬼はなぜ大里に住み着いたのか
先のムーチー鬼伝説の舞台は首里の金城町だったが、兄である鬼が住み着くのはなぜか大里の洞窟だ。なぜ大里だったのか?
ここで思い出して欲しいのが、以前投稿した首里城と風水の話だ。首里城正殿をポイントとした時、風水の流れで読むと正殿後ろが北となり、弁ヶ岳が北の玄武、繁多川〜識名の山が東の青龍、虎瀬山が西の白虎、久米もしくは慶良間が南の朱雀となり、首里が四方の獣神に守られているという内容だった。となると、首里城正殿をベースとして方角を定めた場合、首里城の東北に当たる土地はどこか。
そう!まさに大里なのである!
おそらく大和の東北鬼門説に準じ、首里城の東北に位置する大里に鬼を住まわせたのではないかと思うのだ。その鬼退治をしたアイテムこそがキビ団子ではなくムーチーであり、桃の字の付く月桃で巻かれ鬼を退治、その後庶民の間でも健康祈願や厄除けとして作って食べられるようになった。まさに桃太郎ともしっかり繋がるではないか。
ちなみにムーチーを炊いた煮汁も、鬼の足を焼く聖水になると言われ、魔除け厄除け祈願で家の周りに撒く。旧暦12月8日のムーチーの日は過ぎてしまったが、ぜひ今からでもムーチーを作って食べて、コロナという鬼もやっつけようではないか!