玉城知事「感染拡大防止と経済回復に全身全霊」 県議会2月定例会開会
- 2021/2/16
- 政治
沖縄県議会の2月定例会が16日に開会した。2021年度県政運営の所信表明をした玉城デニー知事は、新型コロナウイルス対策と経済回復に全力で取り組むことや、米軍基地の整理縮小に注力する方針を示した。
コロナ対応で感染症対策課を新設へ
コロナ感染拡大防止に向けては「感染症対策課」を新設し、エッセンシャルワーカーに対するPCR検査強化などを具体策として挙げ、医療提供と検査体制の拡充を強調。さらに保健所の体制強化に加えて宿泊療養施設の確保についても力を入れるとした。ワクチン接種については、市町村を広域的にサポートして関係機関と連携し、体制整備をする。
また、コロナの影響で増えている生活困窮世帯には、自立支援制度を通じて相談体制の充実と居住の確保に取り組み、就労支援も行うとした。
経済対策は主に中小企業・小規模事業者の事業継続と雇用の維持・安定化を進め、社会経済活動の再開と迅速な県経済の回復に「全身全霊で取り組む」とした。さらに、コロナ収束後を見据えてアジアの活力を取り込むためのインフラ整備、ビジネスネットワークの連携強化を推進するという。
米軍専用施設面積50%以下目指す
米軍基地については、沖縄に在日米軍専用施設面積の70.3%が集中している現状を指摘した上で「当面は在日米軍専用施設面積の50%以下を目指す」と具体的な数値目標を明言し、日米両政府に対して実現を求める考えを示した。
来年で本土復帰50年の節目を迎えることにも触れ、現在でも「騒音、環境問題、米軍関係の事件・事故が後を絶たない状況」であることに懸念を示した。その上で、沖縄の荷重な基地負担を軽減するため「嘉手納飛行場以南の施設・区域の返還が確実に実施される必要がある」と強調。
さらに普天間飛行場の固定化は「絶対に許されない」として運用停止と県外・国外移設、早期閉鎖・返還を政府に強く求めるとした。辺野古新基地建設は「対話によって解決策を求めていくことが重要と考えており、政府に対し、工事を直ちに中止した上で県との対話に応じるよう求める」と述べた。
このほか、子どもの貧困対策を最重要施策として強力に推進していくこと、首里城の復旧・復興に向けて首里城正殿の柱材や赤瓦の調達など具体的な取り組みの加速、持続可能性を踏まえた「SDGs推進室」の新設なども方針として掲げた。
また、コロナ対策を盛り込んだ7912億円の来年度予算案などを含めた77議案が提出されたほか、昨年12月から今月にかけて県内で相次いでいる米軍機の低空飛行についての抗議決議と意見書を全会一致で可決した。