貧困問題考える「Rich Heart プロジェクト沖縄」設立 大城五月さん

 

 「貧困の真っ只中で困っている人たちの支えになりたい」「あなたのせいじゃない。ひとりじゃないと伝えたい」ー。沖縄市胡屋で居宅介護支援や高齢者らの病院付き添いサービス事業を行っている「合同会社hareruya」代表の大城五月さんは、貧困問題を考えるコミュニティ「Rich Heartプロジェクト沖縄」を今年1月に設立、展開している。五月さん自身も、幼少期に母子家庭で育ち、二度にわたる結婚と離婚で借金を抱え、シングルマザーで5人の子どもを育てながら事業を進めてきた。自身の経験をもとに「コミュニティ内で自分の半生を公開し、育ってきた環境をみんなでシェアする事から始めたい」と呼びかけ、定期的な対談イベントを展開している。

5児のシングルマザーであり、二度の離婚を経験

 五月さんは、3男2女のシングルマザーで2度の離婚を経験。物心がついた2歳の頃には母と二人暮らしだった。母は昼の仕事だけでは生活ができず、夜も仕事で忙しかったため、五月さんは祖父母に預けられた。そんな生活が小学校2年生ごろまで続いていた。「みんなこんなもんだと思っていた」「家族というものがよくわからなかった」と振り返る。祖父と祖母と一緒にご飯を食べて、寝て、お母さんは時々来る人。来たら優しいし、本を買ってくれたりといい思い出があった。また、母の兄弟(おじおば)も一緒に遊んでくれて寂しいなりに楽しい思い出もあった。

 母は五月さんが小学校2年生のときに再婚。継父は、初めて会った時に、ステーキ用の生肉を片手に笑顔で登場し、「いいお父さんだ」という印象だった。弟と妹が生まれて、憧れていた普通の家庭の子になれたと思った。初めて家族ができたという感じになっていったが、小学校高学年に入ると五月さんは非行に走る。万引きや飲酒、他校とのトラブルを起こし、母は何度も校長室へ呼び出され、手に負えないと泣き崩れていた。

 その後、中学校3年生の時から付き合っていた彼氏と20歳で結婚。21歳で長女を出産し「今思えば、子どもが子どもが産むような感じ」だったと振り返る。その後、4人の子どもが生まれた。生活費が足りなくて借金していた。20歳という若さで結婚した夫は、遊び盛りの友達や仕事仲間と飲みにいく生活が続き、五月さんは「仕事をしながら、家事をしながら、子供を育てながら、どうして私だけ」と積もり積もった感情が衝突し合って33歳で離婚した。

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