宮古島の感染増、選挙も影響か
- 2021/1/29
- 政治
玉城デニー知事は29日、県庁で定例会見を開き、新型コロナウイルスの感染が急拡大している宮古島市の感染者の中に、今月17日に投開票された市長選や市議補選に関連する症例が7人いたと発表した。玉城知事は、宮古島市での感染爆発と選挙戦の関連性について「影響があった可能性は否定できない」との認識を示した。
県によると、7人の行動履歴には選挙運動や選挙事務所での活動があるという。県の担当者は「陽性の方がそこにいたということが分かっているが、感染が広がった場面がそこかは、まだ分からない」としている。どの陣営で感染が発生しているかも、現時点では不明という。
同日の会見で、玉城知事は、宮古島市の高齢者施設などでクラスターが複数発生している可能性があることにも触れ、陸上自衛隊に対し、医療支援として災害派遣要請をすることを明らかにした。県は同日午後、国に対し要請を行い、看護官5人を宮古島市でクラスターが発生した高齢者介護施設へ派遣した。
宮古島市で感染が急増していることについて問われた玉城知事は「医師会や看護協会などからも協力を得て、人材を派遣しなければいけないという状況」との認識を示し、「病床の確保、施設療養の新たな確保についても取り組んでいる」と強調した。
一方で、宮古保健所の状況については、患者対応を優先していることから積極的疫学調査が追い付いていない状況があると指摘し、「沖縄本島内の保健所や総括情報部から職員を派遣して応援体制を取っている」と説明した。
国が2月7日までの間、11都府県に対して発令している緊急事態宣言が延長された場合に、県独自の緊急事態宣言を延長する考えについては「今後の状況については、現時点ではまだ判断するに至っていない」と述べるにとどめた。
那覇軍港の浦添移設、改めて容認の姿勢
また、那覇軍港の浦添移設についての姿勢を問われた玉城知事は、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意事項で基地の整理縮小を進めていくとして、「母体となる浦添市などと協力して進めていきたい」と軍港施設を容認する姿勢を改めて示した。
その上で、浦添市長選で「オール沖縄」側が支援する立候補予定者が軍港移設に反対していることについて、知事のスタンスと矛盾しているとの指摘に対しては「オール沖縄の枠組みで、建白書の実現などの大きな枠組みの中で共に取り組んでいただける方を支援してきている。その方向性では一致している」と強調した。
(記事・写真 宮古毎日新聞)