衆院選終盤リポート<沖縄3区> 一騎打ち、党幹部も沖縄入り

 


 31日投開票の衆院選は選挙戦終盤の三日攻防に入り、各陣営が総仕上げに取り掛かっている。超短期決戦にしのぎを削る候補者の動きを紹介する。今回は沖縄市やうるま市以北の沖縄本島と、周辺離島3村を選挙区とする沖縄3区。2候補が3市2町9村にまたがる広大な選挙区を駆け回っている。

一騎打ち、激戦続く

 沖縄3区は立憲民主党現職の屋良朝博氏(59)と、自民党新人で元沖縄北方担当相の島尻安伊子氏(56)の一騎打ちとなっている。2019年4月にあった3区補選と同じ顔ぶれで、屋良氏が再選を果たすか、島尻氏が雪辱を遂げるかが注目される。
 19年補選の得票数は屋良氏が77,156票、島尻氏が59,428票だった。ただ、この時は投票率は43.99%と低く、総選挙となる今回は10ポイント程度は上昇することが予想される。当時投票に行かなかった有権者層を含めて、浮動票の取り込みが勝敗を左右することになりそうだ。

「政権取って辺野古中止」 玉城知事も支援

 沖縄3区は日米両政府が米軍普天間飛行場の移設先として合意している名護市辺野古を抱える。「私達が政権を取ったその日、辺野古は中止する」。元沖縄タイムス記者で米軍基地問題の取材経験が豊富な屋良氏は、辺野古の基地建設中止を軸に各地で主張を展開している。政権交代を呼び掛け、大票田の沖縄、うるま、名護の3市を中心に票の取り込みに力を入れる。

 辺野古に反対する「オール沖縄」勢の一翼として、玉城デニー知事も公示日の出発式に参加するなど支援に回る。当選した19年補選と同じ一騎打ちの構図となっていることから、陣営内は「大丈夫だ」論を警戒。ある関係者は「相手候補が比例復活できないほどの差をつけてという声も多く頂いているが、情勢は横一線と報じられており、緩みは禁物だ」と話す。

 公示前には立憲民主党副代表の辻元清美衆院議員が応援に駆け付けた。安倍、菅、岸田政権での新型コロナウイルス対策を批判した上で「辺野古の政策も軟弱地盤が出て使い物にならない基地を造ろうとしている。辺野古にかける1兆円近くの予算を医療、病院の拡充に回したほうが県民の命を守ることにつながる」と屋良氏支援を呼び掛けた。25日には立憲民主副代表の森裕子参院議員も3区入りした。

「子の貧困対策進める」菅前首相も沖縄入り

 島尻氏も沖縄、うるま、名護の3市を中心に支持浸透を図っている。3市の首長は自民系で、その支援も受けながら挨拶回りなどをこなす。参議院議員時代に沖縄担当相を務めた島尻氏は、街頭では「この選挙戦で一番やりたいことは子どもの教育だ」などと強調。閣僚時代に着手した子どもの貧困対策に政策の柱に据え、重点的に取り組む考えを各地で訴えている。

 九州比例に沖縄出身者の候補を擁立している公明党も、島尻氏のバックアップに注力している。公明の比例候補や公明県本部の幹部らが島尻氏と同行し、共に支持を訴える場面が目立つ。「(島尻氏が出馬した)16年参院選や19年補選の時以上に、自公ががっちりタッグを組んだ選挙戦ができている」。ある陣営関係者は今回の状況を見て手応えを口にする。

 自民党幹部も続々と沖縄入りしている。菅義偉前首相は公示日翌日の20日に駆け付け、沖縄市内でマイクを握った。島尻氏の沖縄担当相時代を振り返り「島尻さんは、沖縄の子どもの貧困対策を行いたい、基金を創設して取り組みたい、そうした相談にやってきた。私も島尻さんのそうした熱意の中で、実現することにした」と支援を呼び掛けた。28日にあった総決起大会には茂木敏充外相も参加した。

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