事業継続のためのリスク対処を 危機管理体制構築でOCVB講演会

 

 また「中小企業だからこそBCPが必要」と強調。何か大きなことが起こった時、ダメージを負い、回復しにくいのが中小という社会構造になっていることに加え、BCP策定率が大企業ほど高く、中小においては1割前後という現状も指摘した。「経営戦略の視点でBCPを位置付ける『絶対に会社を潰さない』という意味では究極の経営戦略だ。従業員とその家族との安心感にもつながる上、各業務のリスクや弱みを洗い出し、業務の改善や効率化が進むというメリットもある」

コロナ長期化に備えた対策を

 新型コロナウイルス対策については、コロナ専用のBCPはなく新型インフルエンザ等ガイドラインの応用であると説明。「感染対策はやっていると思うが、事業継続という視点でやっているか。現在やっている対策をマニュアル化することで見えてくることもある。事業が中断しないような仕組みとして対策を捉えているかということも非常に重要」と話し、「最後は資金繰りになってくる」と付け加えた。

 そうした中で、今後の対応で重要視すべきなのは「長期化に備えた対策」と指摘。ワクチンや治療薬の開発の目処が立たない中では、1~2年間の収支シミュレーションと備えの把握が必要で、この状況が変わらないか、あるいは悪化することを想定するなど「厳しく状況を見てのぞむところから対策が始まる」とした。
 感染者が出た場合の対応に関しては、対策のしっかりとしたマニュアル作成がポイントで、「BCPとして文章化し、事態の悪化に応じて積み重ねていくことがその都度の適切な対策につながっていく」と述べた。

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