沖縄タウンが舞台 映画「だからよ〜鶴見」主演ガレッジ川田さん「先祖に感謝」

 

沖縄角力シーンであばら骨損傷のハプニングも

 今回の映画の見所でもある「県外で唯一行われている沖縄角力大会」。その沖縄角力に初挑戦した川田さん。撮影が進む中、まさかのハプニングが起きてしまう。

 川田さん「相撲でボリビア人と戦った時にあばら骨をやっちゃって、軟骨を損傷した。その後相撲のシーンが痛すぎて撮れなくて申し訳なかった。優しく倒してもらったり、ただ落ちるシーンをカットの連続で撮ったりした。息もしづらいほどそれくらい痛かった」

 渡辺監督「このあとのシーンをどう撮るのか。軟骨損傷でほぼ動けなくて痛すぎて呼吸もしづらい状態だったので、とてもひやひやした」

沖縄角力大会に挑む、川田さん演じる琉次ら(提供:同委員会)

協力の輪広がり、地域一体に

 また、今回の地域映画制作にあたり、舞台裏の物語も紹介したい。映画制作を発案した鶴見区在住の野村拓哉さんは、鶴見で沖縄物産を扱う沖縄ショップぷからす家を経営する傍ら、毎年行われている沖縄の文化、食、音楽を楽しむ「鶴見ウチナー祭」の事務局長も務める。本作にはプロデューサーの一人として関わった。企画を持ちかけ、クラウドファンディングで制作費を集め、完成までたどり着いた裏側と、地域映画の良さを語ってくれた。

-映画制作を発案した時の周囲の反応は?
「初めに映画を作ろうと持ちかけた時は、皆半信半疑だったと覚えています。『映画良いね!』と言う反面『本当に作れるの?』と言う声も聞こえてました。たしかに製作費の目処も全く立っていませんでした。今考えると恐ろしいですよね」

-どのように周りを巻き込んでいったのか?
「映画を通じて『こんなに面白くて素敵で魅力的な地域である鶴見を知ってもらいたい!今の町の情景、ともに過ごしている地域の人達を映像に残したい』という純粋な思いで動いていきました。そうすると、我々の想いが伝わったのか、仲間が1人増え、また1人増え、実際にロケが始まりました。朝から晩まで和気あいあい、そして緊張感を持って真剣に取り組む制作チームや出演者の姿を見て、地域の人も協力してくれました。食堂の人は賄いをくれて、ロケ時の場所提供やエキストラ出演などでお世話になりました。我々が宣伝しなくとも映画は口コミで広がりを見せ、協力の輪は広がって行き、地域が一体となっていく実感がありました。この頃には、クラウドファンディングや協賛金なども製作費をまかなえるほど集まっていました」

野村さんにとって地域映画の魅力とは?
「これは間違いなく、監督と共に地域の皆で作り上げた作品です。そして作品はこの先ずっと残ります。企画から完成まで本当に大変でしたが、出来上がった作品を喜んでもらえて、楽しみにしてくれている人がいて、本当にやって良かったと思います。制作を通じて、自分達の住む地域の再発見、仲間との繋がりを持つ事が出来るのが地域映画の最大の魅力だと思います。是非、全国・全世界の沖縄県人会の皆さまにこの作品を観てもらいたいです」

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