アルゼンチンに2メートル超巨大シーサー なぜここに?

 

県系人の活動の守り神に

 シーサーが設置された「うるま園」は2020年で53周年を迎えた。1967年にアルゼンチン沖縄県人連合会が沖縄角力大会の会場として購入した土地で、今では、ゲートボールや体育大会、沖縄祭りをはじめとする行事やイベントの開催地となっている。

うるま園にて沖縄祭り(写真素材:Comunidad Japonesa en la Argentina)

 中でも沖縄祭りは、沖縄の芸術や文化を披露する場となっており、太鼓、空手、舞踊、エイサー、綱引き、屋台、参加者総出の盆踊りとカチャーシーなど沖縄の文化が盛りだくさん。琉球國祭り太鼓のエイサー演舞は、アルゼンチンでも人気が高く、総勢100名のエイサー隊が太鼓を打ち鳴らし、観客を魅了する。約6千人余りが祭りに来場し、毎年盛大に開催されている。

 巨大な1対のシーサーは、施設の入り口で構え、いわば顔とも言うべき存在で、行事やイベントで来場者をいつも温かく向かい入れている。アルゼンチンに住む県系人にとって「活動を見守る守り神のような存在」だという。

 海を越えてアルゼンチンに運ばれたシーサーは、遠く離れていても故郷を思うアルゼンチンのウチナーンチュの強い気持ちの象徴であろう。これから先、10年、50年、100年と、沖縄とアルゼンチンの交流促進となって、アルゼンチンに住む県系人らの活動をいつまでも見守ってほしい。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3

安里 三奈美

投稿者記事一覧

ボリビア在住5年、2児の母。フリーライターとして観光や沖縄県系コミュニティーについてWEBや紙媒体で執筆、寄稿等を行う傍ら、家系図や家族史・自分史の制作会社の代表も務める。2011年に県系の若者をつなぐネットワークを構築、県系若者が集う大会を世界各地で開催。2015ミスうるま。著書に「刻まれた21cm」(文芸社)

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1. 前半38分、左サイドからのクロスに反応する沖縄SVの髙原直泰(奥中央)=3日、三重県のAGF鈴鹿陸…
  2. 鋭いドライブでディフェンスを抜きに行く宜保隼弥(右)=6月15日、沖縄アリーナサブアリーナ(長嶺真…
  3. FC琉球の監督に再就任し、意気込みを語る喜名哲裕監督=15日、那覇市の沖縄県体協スポーツ会館 …
  4. 前半35分、白井陽斗(中央)のスーパーゴールを祝福する野田隆之介主将(右)らFC琉球のメンバー=3…
  5. 初優勝を決め、喜びを爆発させる琉球ゴールデンキングスのメンバー=28日、神奈川県の横浜アリーナ©&…

特集記事

  1. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
  2. 試合終了後、サポーター席に駆け寄って引き続きの応援を求める喜名哲裕監督(右)=24日、沖縄市のタピ…
  3. インタビューで昨シーズンを振り返る安間志織=5月18日、那覇市内  欧州を舞台に活躍していた…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ