琉球ブルーオーシャンズ2年目のトライアウト 来年こそ真価が問われる
- 2020/11/12
- エンタメ・スポーツ
ブルペン横で熱心に見ている年配男性がいた。投手が投げ終わり、グラウンドに戻る際に声をかけ、持ってきたものを手渡した。宮城竜輝投手(19・沖縄県立中部商業出身)の親族だった。心配でみにきたのであろう。宮城投手に声をかけると「おじいちゃんです。僕は高校を卒業して1年空いたんですけど、やっぱり野球がやりたくて受験しました」。という
1年空いた理由を聴くと「高校3年の夏の県大会前に肘を痛めて、試合に出られなかったんです。そこでもう終わったと。燃え尽きちゃって野球はやめようってボールを触らなくなった。でも、時間がたつにつれお兄ちゃんが頑張っている姿を見て、やっぱり野球がやりたい、僕は野球が好きなんだって思って・・・」。
彼のお兄ちゃんの名前は「宮城滝太(だいた)」。2018年ドラフト育成1位で横浜DeNAに入団した投手だ。高校から県外の滋賀学園高校に進学し、2年の春の選抜で甲子園に出場している。3年の夏の甲子園出場はならなかったものの、滋賀県大会では大会タイ記録となる7連続三振の好投をみせ、将来性をかわれてプロに入った。
「絶対一緒に戦いたいと思った。だからトライアウトを受けるために、平日は仕事を終わってからジムでトレーニング、週末は高校時代の同級生に手伝ってもらってボールを使った練習をしてきました。なんとしても合格したい」。と、手にはお兄ちゃんから譲り受けたネーム入りグローブが輝いていた。
また、今年アメリカの独立リーグに入団が決まっていたのにコロナの影響で渡米が出来ず、無所属で受験したという関口陽平外野手(23・上武大)は、「逆にコロナだったから琉球でプレーできるチャンスだと思って。沖縄は大学時代のキャンプ地なので親しみがあります。今日は強い打球を打とうと心がけていました」。と強気をみせた。
埼玉出身だが顔つきが沖縄っぽくイケメンである。聴けば、父親がイラン人で日本人の母とのハーフだそう。なるほど、筋肉の付き方が外国人っぽいのも頷けた。
午前の部が終わり、43名中22名が一次を通過、残った選手たちは実戦形式で、投手力、打撃力が試された。全ては2時に終了、合格発表は後日である。