オンライン開催を一元化「amply」観光にも一役 金城代表に聞く

 

突然のコロナ禍でコア事業が苦境に

 「ディレクター・エンジニア・プログラマーの3人で、3週間足らずのうちに仕上げました。しかも作業は全てリモートで行いました」。amplyは逆境のなか超速で生まれたサービスだった。焦燥感にも似たスピード感で進められたのには理由があった。

 金城代表が率いるtrevary株式会社では、社名にもなっているコア事業の「trevary」というサービスがある。ユーザーが撮影した動画が集約されており、それを見ることで飲食店やホテル選びなどに役立つvlog(ビデオブログ)アプリである。探りながらではあるが事業計画は順調に進んでいた。近く5G時代が到来し、見通しも明るかった。

 はずだった。

 突然降りかかったコロナ禍で、人の移動が制限され状況は激変。一時は会社を畳むことがよぎる程に追い込まれていく。
 trevaryを継続、活用させながら、今の環境に合った、サービスを作り上げないといけない─。人が集まるイベントは中止に追い込まれても、オンラインイベントはニーズが拡大していた。

 trevaryは、動画で疑似体験を与えて人の移動を促すことを目的としていた。一見コロナショックの以前・以後の全く違うニーズにぶつけられたものの様に思えるが、この2つのサービスは理念の部分で共通している。

 「どれだけテクノロジーが進化しても、五感から得られるオフラインの価値は無くならないと思うんです。YouTubeが広まり無料で映像が見られるようになったとは言え、ライブの動員数はパイを奪い合うどころか、さらに盛り上がりを見せました。amplyを活用したオンラインツアーで土地の魅力を感じてもらえれば、コロナが落ち着いた未来にはきっと足を運んでくれるかもしれない」

スタートアップが変える未来

 このように、IT分野などのスタートアップ(起業)は、短期間で社会に変化や躍動をもたらす好例ともいえる。trevary社は9月から、さらにスケールするために東京へと勝負の場所を移した。国内外の広域展開に挑むスタートアップ企業を支援する東京都の事業「NEXsTOKYO」にも同社は採択された。

 オンラインイベントが加速している今に求められるものを供給するために。コロナ収束後の来たるべき未来に貢献するために。

 誰もが簡単にオンラインイベントを開催できるamplyは、新しい形の体験を広げていく。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3


関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ