なぜ沖縄は貧しいのか(1) 子どもの貧困概況 〜経年変化と保護者

 


 また、学用品費や給食費などを助成する就学援助制度の利用率が困窮層で特に増加している傾向についても「対策の効果が出ている」と説明。利用有無全体をみると、「利用している」割合が2015年は16.9%、2018年は20.7%となっており、困窮層・非困窮層ともに増えた。特に困窮層の小1では34.4%(2015)から49.8%(2018)と大幅に増えている。

教育・医療関係の費用負担重く

 しかし一方で、世帯収入や経済状況の改善が生活改善には直結していないことも指摘されている。小学生の子どもがいる家庭の15~20%が自己負担金での医療費支払いが困難とされている現状を踏まえ、特に学校・医療関係の生活基盤をなす費用負担のあり方についての取り組みが必要と結論づけている。

 こうした中、過去1年間に子どもを医療機関で受診させなかった経験の有無についての割合は、困窮層で増加している。受診させなかった経験が「ある」全体の割合は、14.8%(2015)から22.3%(2018)へと増えた。特に困窮層では、それぞれの調査対象学年で10%を超える増加率となっている。受診させなかった理由をみると、困窮層は非困窮層に比べて「医療機関での自己負担金を支払うことができなかったため」という項目の割合が3倍近い数値になっている(困窮層:26.4%、非困窮層9.7%)。さらに、「忙しくて医療機関に連れて行く時間がなかったため」と答えている割合は困窮層・非困窮層ともに多く、親の多忙が子どもの健康に影響を及ぼす懸念も指摘している。

 また、子どもの虫歯の本数についても、過去1年に子どもを受診させなかった経験がある層ほど、虫歯が多い傾向があることも示されている。

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