440年余りの伝統「与那原大綱曳」の継承 コロナ禍を乗り越えて

 

 綱を曳くのは、東西の代表9名で「形だけでも曳こう」と話していたにもかかわらず、始まってしまえば本気の勝負。

さぁ、つなひきの始まりだ

 これまで綱を曳くことをしていた綱武士たちも周りで応援にまわる。小綱が揺れ、必死で曳き合い、東西に流れて・・・2分12秒で決着。東(あがり)が勝利し、旗頭は健闘を称え合って美しく舞った。これで神事としての与那原大綱曳は終了。そして、二度とないであろう東西そろってにこやかに記念撮影を行い、来年のこその気持ちを確かめ合った。

旗頭がお互いをたたえ合う

 今年の綱曳について、与那原大綱曳実行委員長の山内和実さんは「与那原の綱曳きは440年以上も続けられてきた伝統、僕らはそれを継承していく責任がある。ふるさとイベント大賞で内閣総理大臣賞ももらい全国的にも少しは知られるようになった。

来年は今まで以上の大綱曳を

 来年は感染症も終息して、多くの人に「つくる」「かつぐ」「曳く」に参加してもらい、今まで以上の大綱曳になるよう願っている」と話した。照屋勉与那原町長も「心配ではあったが、小さくてもできたのはいいこと。与那原大綱曳は町民の融和と団結の象徴。来年は今年の分も含め大いに盛り上がって欲しい」と語った。

 先人たちが繋いできた、沖縄与那原の伝統「与那原大綱曳」。園児たちは踊り、小学生は田植え、稲刈りでわらを作り、中学生は金鼓隊(きんこたい)と前舞い(メーモーイ)で参加、こどもからおじぃおばぁまで町民が一体となって綱を作り上げ、誰もが参加できる与那原の誇りだ。昨年は6万人以上が参加し、大きなまつりに成長した。来年こそ、無事開催できるよう願っている。

(なお、2021年与那原大綱曳まつりは8月7日8日予定だが、東京オリンピックの日程次第では変更の可能性もあり)

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3

相羽 としえ

投稿者記事一覧

愛知県生まれ。東海ラジオアナウンサーからフリーアナウンサー&ライターに。スポーツニッポン、中日スポーツなどのスポーツ記者を経て、2017年沖縄与那原町に移住。3年間地域おこし協力隊として与那原の情報発信に務めた。現在もまちづくりなど様々な情報を発信中。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1. 前半38分、左サイドからのクロスに反応する沖縄SVの髙原直泰(奥中央)=3日、三重県のAGF鈴鹿陸…
  2. 鋭いドライブでディフェンスを抜きに行く宜保隼弥(右)=6月15日、沖縄アリーナサブアリーナ(長嶺真…
  3. FC琉球の監督に再就任し、意気込みを語る喜名哲裕監督=15日、那覇市の沖縄県体協スポーツ会館 …
  4. 前半35分、白井陽斗(中央)のスーパーゴールを祝福する野田隆之介主将(右)らFC琉球のメンバー=3…
  5. 初優勝を決め、喜びを爆発させる琉球ゴールデンキングスのメンバー=28日、神奈川県の横浜アリーナ©&…

特集記事

  1. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
  2. 試合終了後、サポーター席に駆け寄って引き続きの応援を求める喜名哲裕監督(右)=24日、沖縄市のタピ…
  3. インタビューで昨シーズンを振り返る安間志織=5月18日、那覇市内  欧州を舞台に活躍していた…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ