野鳥から鳥インフルエンザ陽性反応 「高病原性」か検査中、現状で養鶏場は発生なし

 
死亡個体が発見されたハシビロガモ(資料写真)

 沖縄県自然保護課は12月6日、うるま市内で回収された「ハシビロガモ」の死亡個体の遺伝子検査を実施したところ、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認されたと発表した。鶏に対して高い病原性を示す高病原性鳥インフルエンザかどうかについては、現在国立環境研究所が詳しく検査している。現状で、養鶏場での感染は確認されていない。

半径10km圏内を「監視指定区域」に

 今回の経緯については、11月30日に住民から通報があり、県が複数の死亡個体を回収。半数ほどを簡易検査し、結果は陰性だった。しかし、12月1日に環境省の「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に基づいて検体を国立環境研究所に送付したところ、12月6日にA型鳥インフルエンザウイルス陽性との連絡が県にあった。

 今回の結果を受け、環境省は死亡野鳥が回収された場所を中心とする半径10km圏内を「野鳥監視重点区域」に指定。県は区域内を中心に関係機関と連携して野鳥の異常の監視を強化する。今後、高病原性であることが確認された場合は監視対応を継続する。

 鳥インフルエンザウイルスは感染した鳥との濃密な接触等があった場合を除き、人には感染しないと考えられている。県は「日常生活においては、鳥の排泄物等に触れた後には手洗いとうがいをしていただければ、過度に心配する必要はありませんので、周辺地域のみならず県民の皆様におかれましては、冷静な行動をお願いします」と呼び掛けている。

 また、多くの野鳥などが死亡している場合には、県自然保護課や市町村役場に連絡することも求めている。

 これまで沖縄で高病原性鳥インフルエンザの確認事例はないが、仮に養鶏場で発生した場合は飼育する鶏を全て殺処分することになる。

全国で猛威 養鶏への影響懸念

 海外から渡鳥が飛来する10月頃から始まるシーズンにおいて、今季は家きんにおける鳥インフルエンザの発生が既に16道県、26件(12月6日午後3時現在)に及んでおり、全国各地で猛威を振るっている。鹿児島県では殺処分された鶏の数が過去最多に上っているという。

 現在、養鶏農家は円安やロシアのウクライナ侵攻などを背景とした飼料や資材の価格高騰の影響を強く受けている。特に飼料は生産コストの7~8割を占めるとされ、経営を圧迫しているのが現状だ。この苦境下で鶏を殺処分されれば、県内の養鶏業者に甚大な被害を及ぼすことは間違いない。行政や関係団体、現場農家が連携し、ウイルスの侵入を防ぐできる限りの対策を講じたいところだ。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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