新世代、世界のウチナーンチュ 1)プロローグ
- 2021/4/18
- 社会
行政や民間が強化に取り組む「世界のウチナーネットワーク」。海外に飛び立った多くのウチナーンチュとどのように協力し発展していくべきか、沖縄県のベトナム、シンガポール委託駐在員を歴任した遠山光一郎さんが世界各地のウチナーンチュを紹介していきます。
移民の歴史を持つ沖縄はブラジル、ペルーなどの南米とハワイ、アメリカ本土を中心に多くのウチナーンチュネットワークを持ち、ヨーロッパやアジアにも県人会としてネットークを世界中に作り上げている。南米のウチナーンチュの中心は2世や3世に受け継がれ、最近増加しているアジアでも次世代のウチナーンチュの時代がそこまで来ている。
沖縄県は、この特別な世界のウチナーンチュネットワークを大事にしており、5年に一度「世界のウチナーンチュ大会」を開催して、世界的ウチナーアイデンティティーの継承とネットワーク強化に努めている。その願いは10月30日を「世界のウチナーンチュの日」として設定したことからも表れている。
約42万人と言われる世界のウチナーンチュネットワーク構築のため民間や行政でもいろいろな試みがなされている。
代表的な団体にWUBがある。WUBとは「ワールドワイドウチナーンチュビジネスネットワーク」の略で、ビジネス発展を目的に世界のウチナーンチュビジネスパーソンをつなげた団体であり、私もメンバーである。
世界のウチナーンチュ大会を経て、世界若者ウチナーンチュ連合会も活発に活動を行っている。このコロナ禍、ネットを屈指した彼らの繋がりや活動が印象深くたくましい。
沖縄県は日本の他の都道府県と比べて世界のネットワークが非常に強いすごい県である。県の事務所はワシントン、上海、香港、台湾、北京、シンガポール、ソウルに、駐在所は福州にあるが、それらとは別に委託駐在員という立場で県の活動をサポートする人材もフランス、オーストラリア、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナムに配置している。この素晴らしいネットワークを沖縄と各拠点を点だけでなく線で繋ぐネットワークにするには、もう一段階活動の精度を上げる必要があるのではないであろうか。
成功の鍵は英語という共通の言語強化、アイデンティティーの共有、現地の知識がある若い世代のウチナーンチュの力が必要なはずである。
現状、大部分の沖縄県と世界のウチナーンチュのコミュニケーションは基本、日本語に頼っており、問題点は英語にある。世界のウチナーンチュも1世中心では住むエリアにより英語が話せない、あまり流暢でない状況もある。この英語の問題は世代が若くなるにつれてハードルが低くなる。
このコーナーを通して、様々な分野の国や地域の若い新世代の世界のウチナーンチュ達を英語で取材し、紹介していきたい。 取材を通して、その国の実情やウチナーンチュの状況や考え方を学び、今後の沖縄県とこのかけがえのない世界のウチナーンチュネットワークとの更なる交流及び沖縄県と世界との発展のために、すべきことのヒントを探っていきたい。