国道58号が8車線に 浦添市内、渋滞緩和に期待 

 

 国道58号線の那覇市安謝〜浦添市城間の約2.9キロが27日、新たに片側4車線ずつの計8車線になり開通した。キャンプ・キンザーの国道沿いの土地が一部返還され、2018年度から道路拡幅工事が続いていた。朝夕の通勤ラッシュ時間帯にドライバーを悩ませている渋滞の緩和が期待される。

移動時間が4分短縮

 沖縄県内の交通の大動脈である国道58号は、特に那覇市と本島中部の間に位置する浦添市で交通量が多く、経済活動の妨げになっているとも指摘されてきた。浦添市内の国道58号を行き交う車両は1日当たり7万台を超える。沖縄総合事務局によると、2015年の「一般交通量調査」で、県内で最も交通量が多い区間の上位4位までがいずれも浦添市内だった。


 15年12月、日米合同委員会がキャンプ・キンザーの国道58号沿いの土地の一部返還することで合意し、日本政府は18年度に拡幅に着手。総工費150億円をかけ、片側3車線を4車線ずつにする工事が進められてきた。8車線化に伴い、道路幅員は30メートルから45メートルに広がった。


 8車線になり混雑はどの程度変化するのか。沖縄総合事務局の資料によると、安謝交差点〜城間交差点間の移動時間は10.6分から6.8分となり、約4分間(35%)の短縮が見込まれるという。また、沖縄コンベンションセンター〜那覇新都心間の所要時間は37.5分から33.7分へと短縮される。

菅前首相「思い入れのある事業」


 道路拡幅に欠かせなかったキャンプ・キンザーの一部返還にこだわりを見せたのが、官房長官時代の菅義偉前首相だった。菅氏は27日、浦添市で8車線化の様子を視察し、自身のツイッターに「私にとっても思い入れのある事業です。県内有数の交通量を誇る道路の混雑緩和が期待されます」と書き込んだ。


 拡幅に必要な土地はキンザーの一部だったものの、実現にはさまざまな障害があった。沖縄県内のある自民党国会議員は、官房長官時代の菅氏について「官邸から外務省には『大使館に連絡しろ』と働きかけ、防衛省には『ペンタゴンと直接話をしているのか』と返還に向けて発破をかけていた。菅さんでなければもっと時間がかかっていた」と振り返る。


 障害の一つが、返還予定地にあったランドリー施設の存在だ。日米はこれを嘉手納弾薬庫知花地区に移した上で土地を返還する方針で合意しているが、作業が進まず懸案となっていた。返還を急ぎたい日本側は、キンザー内の別の場所にランドリーを仮移設する形で目処をつけた。


 米軍用地の返還には地権者の合意形成も重要になる。関係者によると、今回の拡幅にあたって返還に難色を示す地権者が一部いたものの、基地内の別の土地と交換する形で決着をみたという。


 浦添市周辺では近年、臨港道路や浦添北道路などいわゆる「西海岸道路」や、国道58号と西海岸道路を結ぶ港川道路が順次開通している。キャンプ・キンザーの残りの大部分も今後返還予定で、経済的なポテンシャルを秘めた地域となっている。

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