県民の課税免除など求める 沖縄ツーリズム団体協、宿泊税制度案で陳情書

 
沖縄県議会の中川議長(中央)へ宿泊税導入に関する陳情書を提出した、下地会長(右から2人目)ら沖縄ツーリズム産業団体協議会関係者ら=27日、沖縄県議会棟

 沖縄県観光業35団体で構成する沖縄ツーリズム産業団体協議会(下地芳郎会長)は27日、沖縄県議会の中川京貴議長を訪ね、県内の宿泊税制度の導入について陳情書を提出した。下地会長から中川議長へ手渡し、定率による課税や県民を免除対象者とすることなどを求めた。

 沖縄県はこのほど、かねてより検討していた宿泊税導入にあたり制度の骨格案を同協議会へ公開。それを踏まえて同協議会内で話し合い、観光業界としての方向性を取りまとめた。

 県案では、宿泊料金により1人1泊につき定額の課税を想定。例えば、宿泊料金2万円未満であれば200円、2万円以上なら500円など、段階的に金額を設定している。

 一方、同協議会は税負担の公平性の高さや、人泊数および観光消費額を重視する観点から定率制を主張。宿泊料金1人1泊または1部屋、1棟につき3%の課税を求めるとした。

 また、課税免除対象者についても言及した。県案では、宿泊料金1人1泊5000円未満の場合は、県民・観光客とも免除対象となっているが、同協議会は県民(県内に住民票を持つ人)は原則的に免除すべきだと主張した。

 特に県民の中でも、離島の住民は宿泊費負担が大きいことを強調。そんな中で離島の住民が沖縄本島へ訪問、宿泊をする際に、県が提示する条件に当てはまらなければ宿泊税が発生するのは、同じ県民の中でも不公平であることを訴えた。

 下地会長は「(宿泊税の課税は)払った方々の満足度を高めるために、財源として使うという約束事。その約束を実現するためのメンバーがばらばらの方向を向いていると、うまくいかない」と強調した。

 その上で「関係者が多岐にわたる中で、観光業界、市町村も納得する制度にするためには、議会の議論、市町村を交えた議論が必要だ」と丁寧な話し合いを求めた。

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