バーのオーナー15人 副業で経営者 自由な働き方で自己実現
- 2020/10/14
- 経済
下地さんは「オーナーが使いやすいように、楽しみながら緩く経営しています。1日の売り上げ目標額はすごく低いんですよ」と話し、ローリスクローリターンで“この場所があるということ自体”を大切にしている。
オーナーが15人いるということは、1人オーナーのバーに比べて人と人との輪が広がりやすい。15人それぞれの友人知人が集まり、それぞれが紹介し合えるからだ。共同オーナーの一人、赤嶺良太さんは、自身もお店に週3ペースで足を運ぶ。「オーナー同士が知り合いなので(横の関係で)どんどんつながります。紹介してその場で終わり、ではなくて、そこから人間関係が派生していくのが楽しいです」と、とびっきりの笑顔だ。
政府も副業促進に舵取り
このように、普段はメインの仕事を持ちながら、別の仕事を平行する働き方が一般に浸透しつつある。
大企業を中心に構成する経団連は長らく副業や兼業について「推奨するのはやや抵抗があり、旗を振って推進する立場でない」としていた。本業がおろそかになったり、労働時間の管理が難しくなるとの懸念からだ。
しかし、デジタル人材の育成についてまとめた3月17日付の報告書で、「副業・兼業を認めることも選択肢となろう」と明記するなど、容認の方向を打ち出しつつある。10月には全日本空輸(ANA)が社員の副業範囲を大幅に広げ、他の企業とも雇用契約を結ぶことができるよう方針を固めた。コロナ禍で航空需要が落ち込む中、社員の収入増やスキルアップにつなげる狙いだ。
フリーランスの仲介業サイト大手・ランサーズの調査によると「副業・複業を開始した時期」について、回答者の約3割が、新型コロナの影響で在宅ワークが推奨された「2020年2月以降に始めた」とした。