“食”で沖縄盛り上げる「ハッピーモア市場」(宜野湾市志真志)
- 2020/10/10
- 経済
所狭しと並べられる県内外の農作物。添えられた手書きのポップにはダイナミックな文字で野菜や果物の名前と味、おすすめの調理法などが分かりやすく書かれている。女性スタッフたちの威勢ある声が気持ちよく響く宜野湾市志真志の「ハッピーモア市場」は、地元の人たちの口コミで利用者を徐々に増やし、時代に合わせて新しい取り組みをしながら客層を広げている。無農薬で安全な品質の野菜を地道に売り続けて利用客の信頼をしっかりと掴み、現在のコロナ禍での集客・売り上げ増につなげた。店長の大湾絵梨子さんは「野菜、そして食を通して沖縄のために自分ができることをしていく」という信念の下で、人と人との繋がりを重要視しながら邁進している。
「ここでしか出逢えない」
「ここだけにしかない ここでしか出逢えない」。店舗入り口の看板に書かれているキャッチフレーズだ。ハッピーモア市場では、小規模農家からの農作物を積極的に入荷しているため、ハーブやスパイス類はじめ、野菜でも見慣れないものが並んでいる。かつては県内で一定数消費されていたが、大型スーパーでの流通が一般的になる中で、店頭から姿を消していった島野菜。そういった日頃あまり食べる機会のない野菜の使い方や食べ方を、スムージーにして加工するなど、積極的に工夫して提案している。数年前には、ウェルカムドリンクならぬ「ウェルカムスムージー」で客を出迎え、少しでも味見してもらうきっかけを作り、その試みが商品化につながった。「サクナ、ヨモギ、二ガナなど、栄養価がとても高い県産の野菜を効果的に摂りながら、同時に親しんでもらえる方法をとにかく考え続けてます」(大湾さん)。