“食”で沖縄盛り上げる「ハッピーモア市場」(宜野湾市志真志)

 

コロナ禍で客数増

 スタッフは全員女性で、現在は15人程度が勤務している。売り場にもバックヤードにも、スタッフたちの活気と笑い声が満ちており、買い物に訪れる人たちも思わず顔が綻んでしまうような雰囲気が漂う。

元気いっぱいで楽しげなスタッフ

 しかし、もちろんただ“仲良し”なだけではない。日々のミーティングではスタッフ全員と店の経営状況の数字を共有・把握した上で商品展開や売り場のディスプレイなどを決める。営業中でも客足を見ながら、その時々で並べ方や見せ方を変えていくという。大湾さんは「瞬発力が大事だと思う。万全な準備ができていなくても、その場でとりあえずできるところまで動いてみて、その後はまたその時に考えて展開していくとうことを続けている」と語る。「うちはみんなが経営者で、みんながキャリアウーマン。基本的に全部データに基づいて数字を上げることを前提にそれぞれで考えながら動いてます」

 今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴って在宅時間が増えたことで、野菜や果物などの食材の需要が高まった。以前から食品の安全性や品質にこだわっていたハッピーモア市場に並ぶ商品がその需要に一致し、コロナ禍になってから集客・売り上げは前年比で「激増」と表現していいほど増えたという。「時代にのっているのが肌感覚であったし、求められているということも強く感じた」(大湾さん)。数年前まで客層は50代以上がメインだったが、コロナになって以降はとりわけ30~40代の層が厚くなった。妊婦や子育て世代が多く、離乳食に使える食材を置いたり、妊婦同士でのつながりが生まれるようなイベントを開催するなどの取り組みも続けている。「リピーターが多いので、『今日は何があるかな』と楽しみな気持ちで来てくれた人たちにがっかりしてほしくない。何をどうやったら喜んでもらえるかということをちゃんと戦略的に考えて、それを継続できる形で維持しないといけない」

 スタッフの中山遥さんは「自分たちで考えたポップやディスプレイを見て、お客さんが手に取ってくれる。結果が目の前で実感として分かるので、とても楽しいし、やりがいがある」と話す。副店長の久貝利奈さんは「今のスタッフは連携もとれてて本当に最高で、『ハッピーモアで働いてて良かった』と心から思う」と断言。大湾さんについて「同級生だけど“宜野湾の母”だと思っている。良い意味で貫禄があって、頭も切れる。尊敬している」と笑顔で語った。

安全性にこだわってセレクトされた食品が陳列されている
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