“食”で沖縄盛り上げる「ハッピーモア市場」(宜野湾市志真志)
- 2020/10/10
- 経済
人とのつながり大切に
大湾さんがハッピーモア市場で働き始めたのは2011年。それまで大阪で靴のバイヤーとして働いていたが、沖縄に戻ってきた際に「実家から徒歩圏内だったから」という理由で就職を決めた。店舗の場所が非常に分かりにくく、しばらくの間は客の呼び込みに苦労した。大湾さんは「チラシ配りから始めた。広告費もない状態で、社長と2人で店番することもあった」と振り返る。農作物の種類が少なくなる夏場は、商品がなさ過ぎて客を返すこともままあったという。そんな中で、大阪での商売のノウハウを活かし、客の目を引き付けるディスプレイを日々考え、ポップも自作。社長とともに全国の様々な店を巡り、どのような店を目指せばいいのか、自分のビジョンを固めていった。「商売では“売り方”は同じ。靴が青果に変わったと思えばいい。野菜には賞味期限がありますけど」
こうした日々の地道な積み重ねを続け、地元住民を中心に少しずつ口コミが広がるようになった。現在も継続していることだが、とにかく客とのコミュニケーションを大事にした。たくさんの会話を重ねていく中で、台風で店舗がダメージを受けた時には、客からの提案で募金が集まり、復旧の助けになったという。大湾さんは「本当にありがたかった」と目を細める。そして「ハッピーモアがこの場所に根付いてきている」と肌で感じたという。
今後はコロナ禍の状況を考慮しながらではあるが、農家と連携して客も巻き込みながら県産野菜についての新しい発見や魅力を発信していく形を模索しているという大湾さん。「やりたいこをやっている若い農家さんの思いを受け止められる場所を作りながら、たくさんの人、特に若い世代が食に関心を向けるようになきっかけ作り続けたい」と強調する。「人と人のつながりが生まれていくことがとてもうれしいし、楽しい。多方面での繋がりと信頼関係を築いて、もっともっと沖縄の食を盛り上げていきたい」と目標を語った。
<店舗情報>
・ハッピーモア市場
・営業時間:10:00~18:00
・定休日:日曜日
・電話番号:098-896-0657
・住所:宜野湾市志真志1-247-1
・Instagram:https://www.instagram.com/happymoreichiba_official/