「サッカーに損得は考えたくない」FC琉球、金鍾成新監督インタビュー

 

 また、喜名哲裕前監督は私が監督をしていた時にヘッドコーチをしていた同士。出来た出来ないではなく、上手く回る回らないがすごくある世界なので、喜名氏を引き継いで自分が出来ることがあればとも思った。

就任後初のトレーニングで選手たちを鼓舞する金監督=9月19日、八重瀬町

選手たちの目は何かを欲している

―就任されて間がないですが、チームについてどんな課題があると考えますか?

 選手たちの目からは、「何か欲しているんだな」という印象を受けた。サッカー的に言うと、今は正しいとか正しくないとかじゃなしに、一つのやり方を決めたら最後まで全体としてやってみるということを、優先すべき時ではないかと思う。

 2試合やったが、そこで選手たちはしっかりやったと思う。僕がやらせたということではなく、彼らはやれる、やろうとはしていたんじゃないかなと。それが表現しきれていなかったような気がする。

 どちらかというと、僕は「これが正解だからやってみろ」というタイプではない。僕自身も迷いがある中で、「でも、今、やるしかないじゃないか」というところに、どう気持ちを共有するかだ。

 ただ、今は話し合いのキャッチボールをする時間がない。そのため、選手たちには「伝え方は少しうるさいよ」と言っている。本来は感じ方を共有しなければならないが、彼らが感じる前に、行動しなければならないことがあると思う。

―監督は、攻撃的なサッカーが持ち味ということですが

自身の持ち味である攻撃的サッカーについて語る金監督=1日午後、那覇市

 「攻撃的」というのは、強気とか、そういう意味合いも含めて考えている。守備の時でも、隙があればボールを奪ったり、攻撃でも極端に言えば相手が2人いても、ちょっと1人で仕掛けたり。

 11人がみんな強気になると、相手からするとすごく厄介なチームになるんじゃないかな。そこはあまりバランスを取らずに、どんどん仕掛けていこうと。

 その方が相手も嫌がるし、見る人たちもわくわくする形になる。相撲でいうと、番付が上なのに、やたら仕掛けていく力士みたいな。横綱が寄り切りばかりで勝たずに、横綱なのにやたら仕掛けるみたいな。

 沖縄の人たちが、自分達のチームはこうなんだと言えるようになれば、「うちのチームは、どこよりも仕掛けちゃうんだとか」とかね。そういうのが、プロのチームなのかなと思う。

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