非行をどう防ぐのか 月影のパトロール隊に同行取材

 

 スポット公園のトイレ近くに缶チューハイの空き缶と花火の燃えカスが無造作に捨てられていた。参加者はトイレのドアを開け、誰か潜んでいないか点検する。辺りに人影はなかったので、既に立ち去ったようだ。

 仮に未成年者が飲酒喫煙をしていた場合、どう対応するのか井上さんに聞いた。「飲酒なら警察に通報します。喫煙なら親と学校に連絡を取ります。続くようだと警察への通報も考えます」

非行が見えないのが今の課題

 特に異常事態もなくコースを一巡し金城中学への帰路、ボランティア歴14年の大田さんが「巡回だけでは分からない」と前置きしてこう話した。「私たちは学校区域を回るだけですが、少年少女がスマホを持つようになり、SNSで『広域交流』をしているんです。そうなると、いつどこで会っているのかが見えない。SNSの負の部分なのかもしれないが、非行が見えないのが今の課題なんです」

 PTAのパトロールと言えば、記者の親戚が子供の学校の巡回活動に参加した際の逸話をこう話した。「夜の9時頃だったが、小学校低学年の女の子が公園にいたので、どうしたのと聞いたところ、『しばらくここで遊んでいなさい』と言われ、その子の母親は居酒屋に行ったと言っていました。親世代も問題なんです」

 終着点の金城中学に着くと、ほぼ同時刻でB班の学校車も滑り込んできた。2班の報告がつつがなく終わると、花城教諭が「待ったー!」とばかりに「B班に重大事項がありました」と話し始めた。参加者に緊張が走った。「C公園でさほど大きくはないが、ハブが出ました。咬まれる危険性もあるので、次回からは長ズボンで来てください」と隊員の身の安全を講じた。解散して帰る頃には、十六夜月が天空でひときわ青く輝きを放っていた。

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友寄 貞丸

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伊江村出身。1990年から主に中国、台湾の取材執筆活動を続ける。2014年11月Uターン。著書に『雲南哀楽紀行』(愛育社)など。国境を越えても一線を越えない旅と取材を信条とする。

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