「自分の体と向き合える」布ナプキン 沖縄の企業が発売18年

 
沖縄子育て良品の舩谷香代表

 「生理の貧困」の実態を探り解決しようと行政や企業がさまざまな取り組みを展開するなか、自宅で洗濯して長く使える「布ナプキン」を18年前に開発し販売している企業がある。沖縄子育て良品(沖縄県南風原町、舩谷香代表)だ。舩谷代表は「使い捨てではないため経血量を把握でき、自分の体とも向き合える。“経血は汚いもの”という感覚がなくなり生理が嫌じゃなくなる」と紹介した。


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費用が掛かる「生理」

 月経カップを販売するブランドIntiminaが女性2,000人にアンケートした結果、女性が生涯に生理用品に費やすお金は、月々1,450円。12歳で初潮を迎えて52歳で閉経する場合は約70万円だ。これに専用の下着や生理痛を和らげる薬などを入れるとさらに費用がかかる。

化学製品や金属を使用しない綿100%

 同社で販売する布ナプキンは、サイズが4種類、下着に装着するための羽つきと羽なしがある。定柄はなく一つ一つがオリジナルだ。新型コロナウイルス感染拡大で外出が減少した背景からか、少しずつ売れ行きも伸びているという。

 経血量やおりものシートなど用途に合わせて、①ライナー(700円)②小(990円)③大(1,540円)④特大(1,760円、いずれも税込)を揃えている。

 同社の担当者は「デビューする方は昼用3~5枚、夜用2枚あればひとまず安心」と話す。専属の縫製スタッフ2人が全て手作りしており、綿100%、無漂白のコットンネルなど化学製品を使用しておらず素材にもこだわっている。使用時に音が出ないようマジックテープではなくボタン式を採用し、金属アレルギーの方も使えるように金属は使用していない。

 舩谷代表は「布ナプキンは使い捨ての生理用品を使っている時よりも下着に意識が向くため、子宮低筋が鍛えられ経血コントロールにも役立つ。50代で尿もれに悩む方もいるが、その対策にも良い」と話した。

 また、使い捨てのナプキンと違い布製は通気性が良いためデリケートゾーンのかぶれ防止や冷え性対策にもなるという。

洗濯機で手入れ可能。15年の愛用者も

 布ナプキンは、石鹸水につけて手洗いし洗濯機に入れるだけと手入れも簡単だ。同社の担当者は「家族に見られて恥ずかしいという人もいるが、生理そのものが体からのサインであり、恥ずかしいことではない。自分の体を労る1つとして捉えてほしい」と話した。

 一度購入して15年以上愛用している沖縄市の40代女性は、「1,500円~2,000円でこんなに長く使っているのでコスパも良い。サイズが豊富なので漏れる心配もありません」と話す。第一子を妊娠中に体に触れるものの安全性が気になり、産後から布ナプキンを使い始めたという。「経血量や色で体調を意識し、自分の体と対話している。体を大切にするきっかけになった」と話した。

 多様なデザイン性で布ナプキン単体だけでなく使い捨てのナプキンを重ねて使うなど、運動量や長距離移動に合わせて工夫して使うことも出来る。

一歩踏み込んだSDGsへ

 布ナプキンは元々、生理痛に長年悩まされていた舩谷代表が知人から石油製品を使わない布製品は痛みを和らげると聞き半信半疑で自作して使っていた。当時は別の会社に勤めていたがブログ等で紹介したところ口コミで依頼が入るようになったという。その後、起業した。

 顧客から「生理痛や肌トラブルに悩んでいたが軽減された。自分の肌にあった快適な使用感で毎月の生理が嫌じゃなくなった」という声もある。

 舩谷代表は「全てをSDGsでやることは難しいが、ゴミも出ないしコストパフォーマンスも良く、体にも優しい。一歩踏み込んだSDGsとして広めたい」と語った。

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久場 まどか

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記者 / WEBデザイナー

元沖縄タイムス記者。県警、市政、政治経済、沖縄戦生存者の証言聞き取りなどに従事。

Newspaper In Business / Educationの活動で県内企業・小中学校で新聞活用講座を開催。

執筆歴に「基地で働く 軍作業員の戦後」など。

2019年より、蔵根美智子氏に師事し放送大学で新聞を活用した全国初の単位制「ニュースの読み方講座」を開講。

2020年より財全GROUP所属。1986年、浦添市出身。

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