パンを囲んで起業や目標語らう 子育てママの交流イベント拡大中

 

 子育て中の母親を中心とした女性限定で、起業や目標実現について語り合う女子会のような交流イベント「Will GROUP.幸ぱんセレクト」が少しずつ繋がりの輪を広げている。2020年9月から月3回程度開催しており、現在40回以上実施、200名以上の参加者がいる。

 このイベントの特徴の一つが、「主催のMICHIKOさんがセレクトした美味しいパンを囲んでいる」ということだ。それはMICHIKOさんが「大好きなパン」で夢を叶えたから。本格的に事業化すべく、起業支援などを手掛ける「Will GROUP.」(TATSUGAMI代表)をことし9月に立ち上げた。

刺激受け合う参加者

 幸ぱんセレクトでは、「すでに起業している参加者」が「これから夢や目標を叶えたい参加者」に向けて自らの仕事の話を2~3分程度話し、その後フリータイムにもっと話をしたい人同士で自由に話ができる。起業する参加者にとっては交流の場になり、夢を抱く参加者にとって自身の夢をどのように起業に繋げるか学べる機会となる。たとえ夢が無くても参加者の話に刺激を受けて、改めて自分自身を見直す時間とすることもできる。

 オフライン開催をしているため対面ならではの交流ができ、様々な立場のママ友ができるのもこのイベントの魅力だ。現在新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い少人数での開催を行っている。

 「やり続けることの大切さがある」と語るMICHIKOさん。こんな時だからこそ、人と直接会って話をしたいという人もいることを感じているからだ。 

転職しパンに囲まれて

 幸ぱんセレクトを主催するMICHIKOさんも夢を仕事にした一人だ。

 そのきっかけは4年前、シングルマザーになったことに遡る。子ども3人、一番下の子はまだ生後7か月の頃だった。「これからの人生どうしよう」と不安に思いながらも、まずは子どもたちが幸せを感じられるようにと毎日を過ごしていた。

 しかしある日2番目の娘から「ママ、大丈夫?」と言われた。毎日の仕事に追われて自分らしく輝けていなかった母親の姿を、娘は敏感に感じ取っていたのかもしれない。その言葉をきっかけとなり「まずは自分自身が幸せにならないと、子どもたちを幸せに出来ない」という気持ちに変わった。

 それからMICHIKOさんは15年間務めた職場を退職し、何にも縛られず自分の好きな仕事をとパン屋に転職した。好きなパンに囲まれながら、少しずつ心にゆとりを取り戻していった。

 パン屋に勤めて1年後、MICHIKOさんの中で新たに「社長になって今までお世話になってきた人たちに恩返しをしたい」という夢が沸き上がり、起業の道を目指し始めた。

「自身を満たしワクワクする人生を」

 MICHIKOさんは好きなことに着目し起業をすることにした。人と話すことが好きだったMICHIKOさんは以前、自分がセレクトしたパンを囲んだ女子会を開いていたことをビジネスにしようと考えた。しかし友人からは「前まで無料でしてたのにお金を取るのか」と言われてしまった。そこで女性の事業者を集め、話を聞けるという場に変えていくことで、付加価値をつけることにした。それは今では女性の夢を叶える後押しにもなっている。 

 MICHIKOさんは「育児中の母親には制限があり我慢している人も多い。ちょっとでも時間を作って自分自身を満たしワクワクする人生を歩んでほしい。そしてそんな大人の姿を見て、子どもたちにも『大人になるって幸せなんだ』と感じてほしい」と、自信に満ち溢れた瞳で嬉しそうに話してくれた。

 会場ではそんな言葉を裏付けるかのように、多くのママが自らの好きなことを楽しそうに語り合っていた。

■幸ぱんセレクト公式LINE
https://lin.ee/yCq8MFF

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川嵜 紋

投稿者記事一覧

福岡県出身、沖縄県糸満市に移住して8年目。
東京工芸大学写真学科卒業。フリーランスとして写真やデザイン、イラスト制作などを行う。
2020年第一子が生まれ、新米ママとして育児に仕事に奮闘中。

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