「金取って沖縄に」空手劉衛流の”重いバトン” 池田竜晟、6月に福岡で国際大会

 

「世界一」目指して茨城から興南高へ

プレミアリーグへの意気込みを語る池田

 茨城県出身。空手道場に通っていた父の影響を受け、5歳で空手を始めた。

 小学校2年の時、転機が訪れる。世界選手権の女子団体形で金メダルを獲得した劉衛流の清水由佳さん、嘉手納由絵さん、金城さゆりさんが交流の一環で近所の中学校にあった道場を訪れ、世界一の形を披露する機会があった。現在指導を受ける清水さんも茨城県の出身だったことから、その場が設けられたという。

 道場の仲間たちと見学に行き、3人の演武を目にして迫力に圧倒された。その瞬間、思った。

 「沖縄に行きたい」「自分も世界チャンピオンになりたい」

 その後も幼心に抱いた夢を持ち続け、中学卒業のタイミングで地元を飛び出し、興南高校に進学。空手発祥の地で、腕を磨いてきた。

”看板“の大きさは「自分をより燃えさせる」

鬼気迫る表情で稽古に臨む池田(手前)。奥は金城新

 多くの世界チャンピオンを輩出してきた劉衛流。200年余りに及ぶ流派の歴史において、世界選手権で前人未到の4連覇を達成するなど、競技的な側面で最も大きな功績を挙げた喜友名らが引退したばかりの今、後継の一人としてプレッシャーはないのだろうか。池田に率直な思いを聞くと、全く萎縮することはなく、むしろプラスの作用を生んでいるようだ。

 「これまで活躍されてきた佐久本先生や喜友名先輩たちの下で稽古をしているということは、より自分を燃えさせます。試合の時も、いつも『劉衛流の看板を背負ってやってるんだ』と自分を鼓舞しています。プレッシャーよりかは、『やってやる』という気持ちに繋がっていますね」

 365日、休むことなく続けている日々の鍛錬で着実に自信を積み重ねている池田。「今回の日本開催、必ず金を取って沖縄に戻ってきます」。劉衛流を引っ張る次世代のエースが、大一番に挑む。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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