沖縄から女子バスケ新チームのエースに 砂川が攻守で存在感
- 2022/4/1
- エンタメ・スポーツ
女子バスケットボールWリーグは3月で今季のレギュラーシーズンを終えた。17年ぶりに新規参入したアランマーレ(本拠地・秋田県)でエースを張ったのは、中城村出身のシューティングガードで1年目の砂川夏輝(26)=中城中ー西原高ー早稲田大出=だ。1試合の平均得点でリーグ10位、スティールランキングでも9位に入り、副主将として攻守で存在感を発揮した。チームは2勝22敗で13チーム中12位と参戦初年度を厳しい成績で終えたが、来季に向けてさらなる飛躍を誓う砂川は「スピードは自分が思っていた以上に通用した」と個での自信を深めたようだ。
リーグは4月2日からプレーオフが始まるが、秋田はレギュラーシーズンで今季が終了。砂川はオフ期間を利用し、秋田でシーズンを通して共に先発を務め、同じくWリーグ1年目だった嘉陽梨佳子(23)=石川中ー前原高ー名古屋学院大出=と県内で個人練習を積み、来季に備える。
2年ブランクも夢の舞台に 後進に刺激も
高校や大学卒業後の入団が主流のWリーグにおいて、26歳でデビューした砂川は苦労人と言える。西原高で主将を務め、名門早稲田大でも関東リーグ1部や全日本大学選手権で優勝を経験。しかし162センチと小柄なこともあり、目標としていたWリーグのチームから声は掛からなかった。
その後、帰省して働きながら県内の社会人チームに所属した。一度は夢を諦めかけたが、限られた時間でプレーするうちに「やっぱりバスケが好きだ」と強い競技愛をあらためて自覚するに至った。自身も出場した国民体育大会のコーチを務めていた元日本代表の久手堅笑美さんの仲介で秋田の練習に参加し、プレーが認められて一昨年の春に入団した。
先発としてコートに立った昨秋の開幕戦。2年間の沖縄生活を経てのデビューで「やっとスタートラインに立てた」と万感の思いが溢れた。「あの2年のブランクがあったから今の自分がある。順調にいった訳じゃないけど、夢は諦めなければ叶う。身長がなくても戦える姿を見せたい」と、小柄な選手が多い沖縄の選手たちに大きな背中を見せる。
最多26得点で球団初勝利に貢献
日本の女子バスケは昨年の東京五輪で過去最高の銀メダルを獲得しており、世界的にもレベルが高い。新規参入の秋田は既存チームより高さや個々のスキルで劣り、開幕16連敗を喫した。しかし、今年1月15日にホームで行われた第17戦で砂川が魅せた。
相手は大学時代の恩師である荻原美樹子氏がヘッドコーチを務め、同じく大学の先輩で東京五輪代表の本橋菜子が所属する東京羽田だった。「成長した姿を見せたい」と奮い立った砂川は40分間フル出場し、鋭いドライブやスリーポイントで得点を量産。両軍最多の26得点で球団悲願の歴史的初勝利に大きく貢献した。
今季の平均得点は13.67点とチームトップを誇る。しかし、3ポイントシュートの成功率は25.93%と低水準だったため「平均15点以上は取りたい。スリーを打つ本数を増やして、もっと確率も上げていきたい」とさらなる得点力の向上を誓う。デビュー1年目で対戦相手に自身のデータが少なかったことを念頭に「2年目にどれだけできるかが大事」と気を引き締める。