高裁支部で沖縄県敗訴 辺野古不承認めぐる訴訟

 
福岡高裁那覇支部での敗訴を受けて会見する玉城知事=16日、県庁

 米軍普天間飛行場の辺野古移設で沖縄県が行った不承認処分をめぐり、福岡高等裁判所那覇支部は16 日、県が提起している訴訟2件について、県の主張を退ける判決を下した。玉城デニー知事は同日、県庁で会見を開いて上訴する方針を示したが、裁判闘争で苦しい立場に追い込まれた。

 この裁判は、辺野古地区の大浦湾側で軟弱地盤が見つかったことを受け、2020年4月に沖縄防衛局が工事方法の変更を申請し、県が不承認としたことに関連する訴訟。

 不承認処分に対し、沖縄防衛局は21年12月に国土交通相に審査を請求し、斉藤鉄夫国土交通相は22年4月に同処分取り消す裁決を下した。申請を承認するよう是正指示も出している。

 県は、国地方係争処理委員会に、同相の裁決や是正指示を不服として審査を申し出たが認められず、22年8月に福岡高裁那覇支部へ訴訟を提起していた。

 敗訴を受け、玉城知事は会見で、「到底納得のいく判決ではない」と強調。また、「(設計)変更が承認されても軟弱地盤の工事に9年余りもかかり、普天間飛行場の危険性の早期除去にはつながらない」と指摘した。

 さらに、「軟弱地盤の深さが最大で地盤改良工事の前例・実績がない90㍍に及び、9年でできるのか不確実」と述べたほか、「不承認とした私の判断が間違っているとは思えない」と語った。

 記者団から、辺野古反対を訴えるため、改めて上京して岸田文雄首相らに面談を求めることはあるかを問われると「これまでも、官房長官や総理に対して対話の機会を作ってほしいと申し上げている。特別な方法も考えられるとは思うが、既存の会議体でも申し入れは続けて行きたい」と述べた。

 不承認処分については、このほか抗告訴訟1件が那覇地方裁判所に提起されている。

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