沖縄で「再生医療」普及へ シンポジウムに斎藤佑樹さんら登壇

 
再生医療について自身の経験などを語った元プロ野球選手の斎藤佑樹さん=3日、琉球大学

 病気やけがの早期回復が期待される治療法「再生医療」を沖縄から発信しようと、シンポジウム(主催・沖縄スポーツ再生医療推進共同研究体)が3日、琉球大学で開催された。パネルディスカッションでは、元プロ野球選手の斎藤佑樹さんらが登壇し、再生医療の将来的な可能性について、アスリートや専門家などの視点から討論した。

 再生医療とは、人の爪や髪の毛、肌など、日々入れ替わる体の部位の「幹細胞」を使った医療。琉球大学病院医学研究科の清水雄介教授によると、幹細胞は複製したり、他の細胞に変えたりすることが可能で、失われた組織や臓器を修復、再生できるという。再生医療で治療すれば、従来の方法よりも治療期間を短縮、早期復帰が可能となるため、アスリートの治療法としても注目されている。

 将来的には、脳梗塞や心筋梗塞など、アスリートだけでなく一般の人の病気治療としても活用される可能性があるとして、研究が進んでいる。

再生医療について、さまざまな視点から討論をする(左から)進行役の星川太輔さん、元プロ野球選手の斎藤佑樹さん、琉球大学病院医学研究科清水雄介教授、同大学病院整形外科東千夏先生ら=3日、琉球大学

 パネルディスカッションで、2020年に再生医療を受けたという斎藤佑樹さんは「右肘の治療を受けた。本来だと完治まで約1年半かかると言われていたのが、再生医療を受けたことで、約6カ月後には投球練習ができた」と自身の経験を話した。

 その上で「再生医療は、多くのアスリートを救う一つの材料になると思った。こういう分野がもっと広がるきっかけになれば」と語った。

 清水教授は、沖縄で再生医療を普及させる意義について「沖縄は、プロ野球のキャンプなどで多くのアスリートが訪れる。そこで再生医療を確立できれば、香港や上海など沖縄から近い海外のアスリートも呼び込むことができる」と強調した。

 また、再生医療を普及させるには多くの人に知ってもらうことが重要だとし、「皆さんの力で再生医療について情報発信してほしい」と、参加者らへ呼び掛けた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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