「中間報告書」が指摘した首里城警備体制の杜撰
- 2020/9/18
- 社会
昨年10月31日未明に発生した首里城火災は、今年1月末に沖縄県警が原因不明のまま捜査を打ち切っていた。再発防止策を話し合う第三者委員会「首里城火災に係る再発防止検討委員会」(委員長・阿波連光弁護士)は今月11日、玉城デニー知事に中間報告書(A4判8㌻)を提出した。これにより出火原因や問題点など詳細が分かってきた。
違和感、スタンドプレー もやもや感は解消?
火災発生後、県内外で瞬く間に自治体、メディア、企業を挙げて「首里城復興募金運動」が展開された。募金、ふるさと納税の寄付金などを合わせ、その総額は36憶8千万円に達している(7月29日現在)。
原因がはっきりしない中での募金運動に違和感を持つ者は少なくなかった。原因が究明されてこそ再発防止にも取り組めるからだ。しかし「県民のシンボル」「心の拠り所」「沖縄のアイデンティティー」の唱和の前に、その違和感はかき消されがちだった。なお、本筋ではないが、奄美、宮古、八重山、与那国の人々にとって、首里城は「支配のシンボル」でもあり、これらに共感するのは無理がありそうだ。
さらには、政治家のスタンドプレーもあった。渡久地修県議(共産)は、親善交流で台湾出張中の10月31日、交流イベントがあるにもかかわらず、独断で早朝便で帰沖している。参加した県議はこう苦言を呈した。「一刻も早く帰りたいのは皆同じなのに、台湾側に敬意を払い会議の席に着いた。言ってみれば“抜け駆け”で、台湾のメンツもつぶした」
「再建復興」に違和感や複雑な思いを抱いていた人々にとっても、中間報告書は「もやもや感」を取り除く一助になりそうだ。出火原因は、放火の可能性は低いとした上で「現時点において、電気関係設備が出火の原因となった可能性は否定できない」と記している。31日に予定されていた組踊イベントに使用する機材のワット数が許容量を超え、配線がショートし分電盤が溶融したとの見方を裏付けるものだ。