《公園》の下で「うちがわ」に向き合う〜石川竜一写真展「いのちのうちがわ」レビュー

 

 沖縄を拠点として活動している写真家・石川竜一さんの個展が東京都渋谷区の「ギャラリーSAI」で開催されている。この展覧会では、石川さんが登山家の服部文祥さんとともに全国各地の山に入り、自然の中で調達できるものだけを食べてサバイブする中で、廃棄された動物の臓器を写した写真をメインに展示している。

全てが繋がっている感覚

 動物の「はらわた」という被写体に、最初はどうしてもグロテスクさを感じてしまうものの、ほぼ実物代にプリントされた写真を眺めているうちに、その色合いの豊さや形のおもしろさ、模様のように見える血管や筋に美しさに気づく。最初に写真を見たときは、写っている内臓の形があまりに整っているので、汚れを取り払ったり、ピンセットで細かな位置を調整したりと、若干の演出がなされているのでははないかと疑ってしまったが、石川さんに話を聞いたところ、服部さんが獲物をさばいた際に取り出して打ち捨てたそのままの状態を撮影したものだとか。なんでも、内臓を綺麗に取り出すほど、肉の部分をおいしく食べられるのだと。内臓をすぐに捨てるのには理由があり、おいしく食べるには調理や処理に手間がかかり、山でのサバイバル食としてはコスパが悪いからだ。(捨てても虫や他の動物がすぐに食べてしまう)

 内臓のグロテスクさを悪趣味的に見せつけることが石川さんの意図しているところでは当然ない。人間社会と隔絶された山の中という厳しい自然の中に暮らす動物たちの、そのさらに内側の内臓であっても、それを観察してみると、血管が川のように見えたり、あるいはそれぞれの器官が人間が開発した車のエンジンのように見えてくる。ミクロとマクロ、自然と人工物、動物と植物などそれぞれの境界が曖昧になり、全てが繋がっている感覚が写真を通して呼び起こされてくる。

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